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彼を危険な目になんて、遭わせたくない。それなら、何をするべきかは分かってる。親戚連中が濁すように、別れれば良いだけだ。
別れて、彼のことを忘れて。それから、もう関わらないで生きていれば、彼は多分無事だ。厄介な親戚の1人2人が「もうアイツに近付くな」って釘を刺すかもしれないけど、ケガをすることはないはず。
でも、オレは。
ワガママなガキだって言われて良い。自分勝手だって非難されて良い。
彼を守りたい。彼を危険な目に遭わせたくない。そう強く思うのと同じくらいに、彼とも別れたくなかった。
それなら、どうすれば良い?
最初に思い付いたのは、単純だけど親戚連中を殺すこと。多分2人か3人殺せば、何も言われなくなると思う。
だけどそれが、現実的じゃないっていうのも、分かってた。だって、あくまで家柄が良いだけで、オレ自体はガキなんだ。後ろ盾なんて持ってないし、犯罪を隠匿するだけの力なんて持ってない。
それで、そういう後ろ盾を持って、犯罪をいくつももみ消してる大人を相手にするなんて、無謀にもほどがある。オレの頭は怒って、焦っていても、なんとかそういうのを考えるだけの理性を残していてくれた。
親戚連中を殺せば、オレは少年院とかに送られる。もちろん、動機とか、そういうのをほじくり返されて、つっつかれる。彼のことを隠すことなんて難しいし、殺人の動機が彼だなんて言ったら、彼にも迷惑がかかるだろう。
彼が自分の家でなんて言われるかも、怖い。
オレが少年院にいる間、彼と離れているのをチャンスだと言うように、彼を殺してしまうかもしれない。もちろん、親戚連中の犯罪が犯罪として処理されることなんてない。アイツ等には等には人1人殺すくらい、なんでもないんだ。オレの家は、それだけの後ろ盾がある家柄なんだ。胸くそ悪いけど。
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