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彼は、ふわっと、やわらかく笑った。
花が咲くような笑顔ってよく聞くけど、彼が浮かべた笑顔は、まさにそれ。
綺麗な碧眼には、渋々とか、仕方なくっていった感情じゃなくて、本当に「幸せ」て色が浮かんでた。多分、これは、オレの願望が見せた錯覚じゃないはず。
双眼に映る、オレの表情が彼よりも驚いていて。それに余計びっくりしたし、彼は楽しそうに笑ってみせた。「お前から提案したんだろ? 驚きすぎ」小さな子供みたく、無邪気な笑顔。
「オレだって、お前と離れたくないよ。かと言ってお前を犯罪者にしたくないし、オレが死んだら、お前、悲しむだろうし、オレを殺した誰かさんに、後先考えず突っ込みにいくだろ?」
「当たり前っすよ。オレはアンタと離れたくない。だから、こんなこと言ったんすよ」
「あとな、お前がずっと否定してて、でもオレと会ったから信じてくれたっていう、永遠の愛にちょっと興味がある」
彼は自分の小指をオレに差し出した。
運命の赤い糸は、そこから伸びてるって何かで見た。
もし運命の赤い糸とやらがあるなら、その糸は彼とオレをしっかり結んでくれている。だけど、それを「血迷ってるだけ」なんて言って、無理矢理に引き裂こうとするなら。
「周囲にこの糸を視認させたいっていうのは、オレも同じ。オレだってお前と永遠の愛に手を伸ばしたいんだよ」
オレだって結構お前のこと、本気で愛してんだぜ?
小さな子供みたく無邪気な笑顔と、思わず生唾を飲み込むような色気を一緒に浮かべて。
オレは、彼と手をとって、一緒に永遠に手を伸ばすことにした。
血迷っただけ?気の迷い?そんなことないっす。
これは本当に存在してる、運命の赤い糸なんすよ、って、知らしめるように。
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