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第2話

こんな下らない事でも此奴にとっちゃ重要だったらしい。俺にただ其れを云わせたいだけ。そして勿論云わせたからには責任を追う覚悟も出来ている。覚悟も確証も無しに賭けに身を曝すような莫迦じゃあ無ェ。 此れが最初で最後の好機だと、太宰の目は物語っていた。其れで満足出来るのか手前は。一生を棒に振るかもしれない覚悟を手前は疾っくに出来ていたっつうのか。 いつからだ、何年前からだ。四年前のあの時にはもう腹括ってたって事なんだろう。一体いつからこんな事計画していやがった。 俺にその言葉を云わせる為だけに。

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