「――何で、俺を置いて行った」 傍に居ても日々腹が立つし佳い事なんか一つも無い。手前の面なんか見たくねぇって毎日顔合わせる度に思ってた。 なのに、其れなのに如何してだ。 「手前にとっての俺は其の程度の存在だったのか」 顔を合わせれば殴り合いの日々でも、誰より毎日其処に居た。傍に居た。 その内手前は俺の事すら見なくなった。興味の対象が他に移ったのは知っていた。手前が俺とでは得られ無い物をそいつらから得ていたのには気付いていた。 過信していたんだ。いつでも自分が一番だって。どこへ遊びに行ったって、最後は必ず俺の処に戻ってきて何も変わらない憎まれ口を云い合うって。 「信じてたのに……」