10 / 20

第10話

「これ、入れてもいい?」  その姿に雅之自身も我慢の限界だった。スラックスの前の寛げ、昂ぶってそそり立つものを蕾に擦りつけると、ゆるゆるとそこに熱を押し付けて腰を揺らした。 「淳くん」  再び請うように耳元で囁くと、腕を伸ばし抱きついてきた淳が小さく「欲しい」と囁いた。その言葉だけで雅之は一瞬イキそうになるが、腹の下に力を込めてそれをなんとか回避した。 「あんまり可愛いこと言われると、さすがにクルものがあるね」  ひと呼吸おいて気持ちを落ち着けると、傷つけないようゆっくりと、小さな蕾にそり立つものを押し込んでいく。  ひくひくと小さく動きながら、それを飲み込んでいく様は、実に官能的だと思った。  排泄器官でしかないはずのそれが、雅之のものを飲み込むたびに、いやらしい性器に変わる。 「あっ、ぁんっ」  しばらくそこが馴染むまで、身体を撫で口付けを落とし、淳が望むままに愛撫していると、また焦れたように彼は腰を揺らす。  おそらく無意識なのだろうが、その様があまりにも可愛らしく、雅之は耳元に唇を寄せた。 「淳くんは意外と欲しがりだね」  耳たぶを食み、意地悪く雅之がそう言えば、淳が「ごめんなさい」と両手で顔を覆い、小さな嬌声とともに甘い声を漏らす。 「ちょっとそれは、反則」  淳の声に雅之は堪えていたなにかが、外れたような気がした。気づけば性急に腰を突き動かして、彼の身体を揺さぶっていた。  奥を突くたびに、半開きになった淳の口から甘ったるい声が漏れる。  その声は雅之の身体中を痺れさせ、熱を高めていく。律動を早めれば、淳は腕を伸ばししがみついてきた。耳元で聞こえる掠れた声に誘われるまま、雅之は彼の身体を余すことなく味わった。

ともだちにシェアしよう!