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 間もなくして、鉄砲を持った猟師らしき人物の姿がふたつ見えた。 「おい、これか? たしかに尾がみっつある」 「だろう? こいつをオークションに売り出しちまえば俺たちは大金持ち間違いなしだぜ?」  真尋を指さし、話しているこの男どもはいったい何者だろうか。鉄砲を持っていることから考えても友好的ではないことはたしかだ。  ぎぃぎぃと喉の奥から唸り声を出し威嚇するが、相手は真尋よりも幾分と背が高い人間で、しかも武器を持っている。体の小さな真尋が太刀打ちできるはずもない。  男たちは暴れる真尋を気にも留めず、意図も容易く捕まえた。  しかし真尋だって負けてはいない。鋭い犬歯を剥き出しにすると男の太い腕に噛み付いた。 「いってっ! 何しやがる!!」  真尋が噛み付いた腕から男の血が滴り落ちる。男は腕に噛み付いたまま離れない真尋を引き剥がそうと勢いよく振り回し、地面に向けて放り投げる。見事着地に成功した真尋だったが、仕返しだと言わんばかりに思いきり強く体を蹴られた。

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