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高校生活は悪くはなかった。 友達もすぐに出来たし、学校帰りにカラオケに行ったりもして、それなりに高校生を満喫していた。 でも、一方で、寂しさも感じるようにもなった。 それは、友達との会話だ。 「うちのねーちゃんが○○でさ」とか「親がうるせーからそろそろ帰るわ」とか、家族の話題になったとき、僕はどうしようもなく寂しさを感じてしまう。 僕には、家族と呼べる存在はない。 友達の何気ない会話によって、自分はひとりぼっちなんだと言う事を再認識させられる。 彼らと一緒にいることで、心の中の虚無感は、次第に増していった。 これ以上、孤独を感じたくなかった僕は、いつしか、学校に行く回数が減っていった。

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