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目を覚したのは、朝方4時頃だった。
あのままずっと眠ってしまっていたようだ。
何もかも喋って、先生が横にいて、安心感からか、久しぶりに深い眠りだったように感じた。
あれ、先生は?
僕はあたりを見渡した。
「ふぁぁ。よぉ、起きたのか?」
「先生…」
先生はソファで寝ていたようだ。
僕が寝てからも、帰らずにずっと居てくれたんだ。
「先生…、すいません。僕、寝ちゃって」
「そんなの謝ることじゃねーよ。可愛い寝顔も見れたしな」
先生はニヤニヤしながら言った。
寝顔見られてたなんて、恥ずかしい…。
涎とか垂らしてなかったかな、と変な心配をしてしまった。
すると先生がこっちに来て、僕の髪をくしゃくしゃってした。
「おはよう、結城」
おはようなんて、誰かに言われたの、久しぶりだ。
その言葉は、コーヒーのミルクのように、僕の心に染み込んで、広がった。
温かい。
たった一言が、なんて温かいんだろう。
「おはようございます、先生」
僕もそう答えた。
「先生、ずっと居てくれたんですね」
「側にいるって言っただろ?」
胸がきゅっと苦しくなった。
愛おしいって、こういう気持ちなのかな。
先生、昨日僕の事、好きって言ってたよね。
空耳じゃないよね。
昨日は、自分のことばっかり喋っちゃって、1番大事な事を確かめられていなかった。
先生、僕の事、好きって…どういう意味での好きなの?
その一言が、どうしても声に出せない。
昨日は、あんなにお喋りだったのに。
「お、いい時間だな」
そんな僕の葛藤をよそに、先生は時計を見て言った。
「何がいい時間なんですか?」
先生は僕の質問には答えずに、ふっと笑って言った。
「今から海に行こう」
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