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第2話

羊谷 明昌の場合。 『明昌くんって、羊みたいに可愛いよねえ』 大きな瞳はチョコレート色に灯り、触ると柔らかいふわふわの髪は、風に触れる度に揺れ、白く磁器のように滑らかな肌は、触りたいと女どもが寄ってくる。 僕の初体験は、小5。家庭教師のおっぱいのでかい女。 少し甘えれば胸ぐらい触らせてもらえたし、可愛い容姿のおかげで警戒されることもない。 おまけに家は全国に数十店舗ラブホテルを経営している成金。 『……昔からいじめられてきたんだ』と嘘を吐ける過去を持っている。 そのおかげで色んな女を食いまくり。 簡単に落ちる女じゃなくて、プライドの高い生意気な女の方が落とすのは楽しい。 そんな感じで今狙ってる、クラブのDJをしている女を漸く落としてラブホで頂いた足で、学校に登校した。 猛獣学園一年、羊谷明昌。 身長は170センチだが、168センチと小さく偽り可愛く見せる。 同性の友達もいるのはいるが、何でも身の回りのことをしてくれる女の子たちとつるむ方が楽だなって程度。 四月にここに入学してから、僕のこの可愛い容姿を見に、廊下から視線を感じることもしばしば。 こんな寝不足の日は、そんな視線がわずらわしい。 僕は同世代の女の子を食べるほど飢えてないんでね。 学校では狩りは休んで、お昼寝を頑張る時間なんだよ。

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