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第308話

名前を呼び終わるのを待たずに、熱い楔に貫かれた。 指を絡め、舌を絡め、――心と心を絡めて。 「んんんっ」 深く、奥に当たる度に、立花――じゃなかった。優征は、気遣ってくれた。 前髪を、優しく払いながら、俺の身体を気遣う不器用な瞳に、俺の心も満たされていく。 「もっと、いっぱい、頂戴」 俺から――貴方を欲しいと強請ったのは、きっとあのトラウマで利用した時以外初めてだった。 好きで、好きで。 もう二度と離れないって思えた。 何度も何度も奥を満たしながら――それでも足りないと俺は腰に足を絡ませた。 背中に爪を立てながら、呼吸の仕方も忘れて乱れた。 強い快感に、何度も何度も優征さんの名前を呼んだ。 とうとう熱いソレが奥に注がれても、それは腰や足を撓らせても、爪を立てるのは止めなかった。 抜こうとする優征さんにイヤイヤと首を振った。 朝まで、甘く俺を離さないで。 もう逃げないから、捕まえて――。 キスで言葉を閉じ込めて、何度も何度も朝まで俺達は重なって、愛し合った。

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