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第342話
数時間前、仕事終わりに立花不動産のオフィスにリューさんと寒田さんんが来た時だ。
「表通りが歩行者天国になってて超道路が渋滞してて困っちゃいました」
リューさんがへなへなと客用のソファに倒れ込んだので、俺は慌てて冷たい麦茶を差し出すとリューさんは可愛らしく笑って御礼を言ってくれた。
やはり可愛らしいと言う形容詞がとてもよく似合おう、花の様な笑顔でまるで無垢な少年の様だった。
「歩行者天国? 何か今日ってイベントがありましたっけ?」
パソコンから顔を上げた菊池さんに、寒田さんは眠たそうに欠伸をしながら答えた。
「ハロウィンイベントです。表通りのお店がほとんど参加して大規模なイベントをしているみたいです。さっきテレビ局の車が何台も停まってましたしね」
「ハロウィンねー。楽しそうですね。仮装にお菓子に、ビールに花火」
ハロウィンにビールと花火があったっけと首を傾げたらリューさんが、お茶を飲んで少し回復した。
「榛葉さんもハロウィンしたことあります?」
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