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第343話

「はい。ヘアサロンで当日はかぼちゃの帽子をかぶったりお客様に飴を配ったりしましたよ」 「へー。って仕事じゃないですか。榛葉さんなら綺麗な足を出した魔女とか、箒とか似合いそうですよね」 「魔女って女装じゃないですか。無理ですよー」 麦茶を片付けようとしたら菊池さんに奪われた。 雑用系の仕事は、極力俺にさせないようにと立花さんにきつく言われているらしい。 当の本人は、パソコンと睨みあいながら、一切会話に入ろうともしない。 「いや、榛葉さんならきっと綺麗な魔女似合いますよ」 「寒田さんまで」 「だったら、これ着てみますか?」 給湯室から戻って来た菊池さんが段ボールを持って現れた。 テーブルに置くと、立花さん以外の皆で中を覗く。 「……オオカミの手みたいな手袋と尻尾と耳だ」 俺が手に嵌めて耳につけてみると、立花さんが凝視してきたので慌てて外した。 「マントは吸血鬼かな?」 「魔女もある! しかもミニスカ」 「黒の全身タイツと槍だって。バイキ○マンみたいですねー」 箒やカボチャのお化けや、飴が入った籠、どんどんと段ボールの中から出てくる。

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