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第1話 転校生
山の麓にある蓮清 高校は立派な建物だ。
俺の名前は眞田 真実
高校2年だ。
9月から転校生が入って来ると聞いていた俺は部活の朝練が終わり急いで教室に向かった。
ー教室ー
「おーい、みんな席につけー。昨日話した転校生を紹介するぞ。入ってこい。」
担任に言われ入ってきたのは身長170㎝ぐらいの男だった。金髪で片耳にはピアスが3つあるその姿は真面目な奴には見えない。
だが、そいつの顔の目の下には泣きぼくろがあった。
Ωだけは産まれたときに見分けができる。それは
右目の下に泣きぼくろがあるかないかで決められる。
産んだ喜びで泣けば、そのほくろをみて産んでしまった後悔を涙にする人もいる。
また俺たちには生まれながらにして地位が決められていて、
α>β>Ωと格付けられてる。
Ωに関しては小学、中学まで最低限知識として学ぶ事を義務づけられているが、高校からは多額の寄付金を学校に納めない限り通う事が出来ない。もちろん地位的に低いΩは働く場所も限られる為、高校に通うのは不可能に近い。
また俺たちの学校はαかβしか通えない。
例え寄付金を貰ってもだ。
「俺の名前はスドウ イツキだ。馴れ合うつもりはない。」
そう言った男の後ろの黒板には漢字で[須藤 一輝]と書かれていた。
かずき
じゃねんだな。
担任は俺の隣の新しく置かれた机を指差しそこに座れと指示をだす。
隣に来た須藤に俺は質問した。
「お前Ωか?」
須藤は違うと言って机に突っ伏した。
そう言われ俺は一応納得した。
それもそうだ。彼の泣きぼくろは
左目だから
「それじゃHRは終わりな。この後1限から夏休みの課題テストだからみんな頑張れよ。」
そう言って担任は教室から出ていった。
クラスのみんなは口々に
勉強してないとか、ヤバイとか言っていた。だが隣の須藤はいつの間にか起き上がりやけに堂々としていた。
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