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第1章 春の嵐 1
「橘 くん、ずっと好きでした!お友達からでもいいからアドレス交換してください!」
ずっとって……まだ入学して数日なんだけど。
友達とか言ってどーせ俺とセックスしたいだけだろ。彼氏とか言って見せびらかしたいだけだろ。
どいつもこいつも同じだな·····
オレがこの高校に入学してまだ数日だというのに、今のような告白はもうすでに3回目だ。
告白なんて今まで腐るほどされてきたけど、本気で付き合ったことなんて一度もないし、大抵の女はオレの容姿と金持ちってとこに惹かれて寄ってくる。
例に習って、高校でも多分同じ。
橘財閥の跡取りとか何故かそういうネタは広がるのが早くて高校に入学してすぐだと言うのにすでに校内中に広がっていた。
“ 橘くんとなら·····”とチヤホヤされまくって喜んでたのは中学一年くらいの頃まで。
その後は、告白される度にウザくて適当にあしらい好みだったら気分で寝たり·····まぁ、世にいうクズみたいな生き方で今まできた。
そんなクズなオレを変える出来事がこれから起きるなんて、
·····この時は全く気付いてなかった。
「あのさ、オレのどこが気に入ったの?クラス違うし話したこともないじゃん?」
「えっと·····すごくクールでかっこよくて……優しそうで·····」
ほらな。
つーか、優しそう?
どこがだよ。
クールでかっこいいて言われるのも聞き飽きたし·····
あーあ、めんどくせー
「とりあえず、番号教えるから。」
「え?!いいんですか?」
「暇な時連絡する。」
「あ、はい!じゃあ·····友達からってことで·····」
「別になんでもいいけど、それがお望みならそれでいいよ。」
「嬉しい!ありがとうございます!」
女って単純だよな。
暇な時に連絡て言ったって、こんな関係が友達なわけねーじゃん。
まぁ、簡単に言うなれば“ 友達という名のセフレ”
暇な時に電話してヤるだけ。
まぁ、んなこと絶対言わねーけど。
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