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春の嵐 2

電話番号を交換しながらそんなこと考えてると、ふと視線を感じ見上げると目が合った。 「なに?」 「いえ·····」 「そんなにかっこいい?オレ。」 「あ、はい·····かっこいい·····です。」 顔なんか赤くしてバカな女。 「じゃあ、さ────」 だから面白半分で真っ赤な顔を引き寄せて、そのままキスしてやったら更に真っ赤になって固まった。 「あ、あの·····」 「これ二人だけの秘密な。じゃあ、また連絡する。」 多分これであの女は呼び出したらすぐ来る。 本館と別棟を繋ぐ渡り廊下を時々振り返りながら去る名前もろくに覚えてない女に、ヒラヒラと手を振り愛想笑いをしながらそんな最低なことを考えていた。 はぁ·····マジうぜー。 こんなのがまた三年続くのかー そんな絶望感の中、ため息を吐きながら目の前の窓に向かい施錠を外すとそのままその窓を開けた。 吹き込む風に乗ってほのかに香る桜の香り。 その香りに少しだけイライラが浄化され、暫く窓辺に身体を預け桜をぼんやり眺めていた。 すると、桜の木の向こう側に見える本館の窓越しに教科書と筆記用具を抱えてめちゃくちゃ焦った顔のヤツが目に入る。 アイツ、何してんだ? 迷子·····か? 広い校内だから迷子になるヤツもいるだろうなぁ~て思ってたけど、マジでいるんだな。 おもしろそうだから、焦ってるそいつを暫く眺めていると突然視界から消えた。 あれ?いなくなった。 ·····と、思ったらまた姿が見えた。 そしてそいつの視線が別棟の方へ向けられ、同時にオレとも目が合う。 こっちに見てる。 なにやってんだ、マジで。 わざわざ迷子を保護しに行くのなんてめんどせーからそのまま見てるとまた視界から外れた。 結局、それ以降そいつは姿が見えないままだったからどっか行ったか、目的地が分かって辿り着いたのかもしれない。 なんかちょろちょろしてて小動物みたいだったな、アイツ····· さて、そろそろ帰るか。 ──────── ──────

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