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春霞 6
終礼だと全校生徒が集まるからほぼ毎回女子に囲まれる。
根掘り葉掘りとオレのプライベートを聞きたがり、いつもは適当に相手してやるけど、今日は構ってる場合じゃない。
そろそろ相原のクラスも来るはずだと女子達の隙間から視線を流すと……
「渚っ!」
オレの横を素通りしようとした相原が視界に入って咄嗟に呼び止めた。
すると女子達が一瞬で静かになり、一斉に視線は相原へと注がれ
る。
「渚、ちょっとこっち来い」
呼ぶ声に素直にこっちに向かいつつも結構な仏頂面だ。
不貞腐れた顔もまたなんて言うか……可愛い。
そんなニヤけそうになってるオレは、必死に堪えながら作戦の第一段階を実行する。
「今日の終礼で、渚を生徒会の書記に任命する。」
「……は?」
「渚、返事は?」
「…………。」
その仏頂面はオレの一言で更に酷くなり、今にも怒りだしそうに見えた。
それに、一緒にいる友達が心配そうに尋ねても相原は不機嫌なまま。
「やだ!ぜってーやだ!!」
そして案の定駄々をこねだした。
そこでオレは一瞬で黙らせる切り札を口にする。
「あの事バラされてもいいのか?」
これじゃ脅しだよな……
だけど、手段を選んでる場合ではないから仕方ないと自分を正当化し、更に言葉を続けた。
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