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春霞 5

ぶっ飛んだこいつの間抜け面、それさえも今は可愛く見えてしまう。 そんな相原にフッと笑いかけると、耳元に唇を寄せ耳たぶをペロッと舐め…… 「………これくらいの仲になれば、 オレのこと優人って呼べるよな? ……なぁ、なぎさ…?」 そう耳元で囁いてやる。 すると完全にノックアウト状態の相原の顔はどんどんと赤くなって、それを指摘するとムキになって喚きその顔は更に赤くなった。 あー可愛い。 なんなんだよ、くそー。 こんなにも破壊力があるとは予想外だった。 そして俺の理性が崩壊する前にトドメの一撃を告げる。 「あぁ、用事っつーか、渚に言うことあったわ。」 できるだけ普通に、でも秘めた想いは伝わるように熱く、妖艶に、 「いつか必ず、惚れさせてやるよ。」 そう耳元で囁いた。 「ほっ、惚れるだとー!?黙って聞いてりゃおかしなことばっかり言いやがって!バカじゃねーの?!生徒会長だからっていい気になってんじゃねー!」 「まぁ、せいぜい覚悟しとくんだなっ。」 「俺がオマエを好きになるわけねーだろ!俺はそっち系に興味ないっつーの!」 ギャンギャン騒ぐこいつを見てるともっと構いたくなる。 だからついつい…… でも、どんな形であれこうして話せたことがオレには久しぶりな高揚感で、気持ちは加速するばかりだ。 今からこんなでこれから先が思いやられるが、とりあえずはこいつにオレという存在を植え付けなければ話は始まらない。 だけど、これ以上は本気でオレの理性がヤバいことになりそうだかったから、なんとか必死に平然と装いその場を後にした。 そしてその数日後がついに全体終礼の日、オレはそこで相原を書記に任命する。 まぁ、嫌だと言うのは想定内だから、オレもそれなりに色々と考えその日に備えた。

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