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春霞 4

ネクタイを引っ張る=相原と距離が更に縮まるということになる。 これで完全に嫌われるかもしれない……いや、絶対に嫌われる。 でも、それ以上にオレは自分で自分を止めることができなかった。 だから、歯止めが効かなくなったオレはそのまま相原の唇を奪ってしまった。 「……んッ」 微かに聞こえた吐息と戸惑う相原の顔がシンクロして、欲望のまま再びその口を塞ぐ。 「……ちょッ……んッ、ま、まてッ……」 必死に抵抗する相原の腰に腕を回すと更にグッと引き寄せ、うっすらと開いた唇の隙間から舌をねじ込むと一瞬身体が震えた。 はじめてのキスはもっとこう……優しくしてやりたいと思ってたのに……どうも調子が狂う。 今まで扱ってきた女達とは真逆で、こいつはオレに一切媚びない。 だから余計なのかもしれない。 どうしても欲しい…… オレのものにしたい…… ────オレだけを見て欲しい そう強く思った。 服従させたいわけじゃない。 ただ、素直じゃない性格のこいつがオレの前でだけは素直に笑いかけてくれる日が来たとしたら……そんな日が来たら……と思っただけ。 あの笑顔を…… 恋に落ちたあの笑顔がもう一度見たい。 ただそれだけなんだ…… 舌を絡めながら咥内を荒らし、合間にそんな誓いをそっと立てた。 そして、微かにもたれ掛かる相原を支えながら下唇を甘噛みしてその唇をそっと離す。 「はぁ、はぁ……」 乱れる息が予想以上にエロくて、理性が破壊しそうになるのを必死に抑え、 オレ、めちゃくちゃ必死じゃねーか…… 脳裏を駆け巡る言葉に苦笑した。

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