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待ち人

「ずっと前から好きでしたっ!。私とお付き合いしてください」 「実は俺も、前から好きだったんだ」  そんなうまい話はこの世には無い。両想い?、そんな少女漫画のような話がこの世にあるはずが無い。あったとするならば、それば現実ではなく虚像の世界である。 「君が藍君?」 「うん」 アイ、それが僕の名前。  今日は太った男か。 「じゃあ行こうか。良い所があるんだよ」  男と横並びで歩き、高そうなホテルに入った。予約をしていたのか、名を名乗りあっさりとルームカードをもらい、「行こうか」と言われ、小さくうなずいた。  エレベーターは二十へと向かい、カーペットの敷かれた廊下を歩き、部屋に向かう。その間に、見た感じ未成年の少女の肩に腕を回し、互いが微笑みながら僕達とすれ違った。  部屋に入ると、二人にしては無駄に広く、窓からは東京の明るすぎる夜景が一望できる。 「やっとこの日が来た。…ずっとこうしたかったんだ」  窓に手を当て夜景を眺めていると、後ろから大きな腕で僕を包み込んだ。大きな腹が僕の背中に当たる。  そっと男の手を握り、「そう言ってもられて嬉しいです」と言った。  そのまま、着ていた服を一枚づつ脱がされ、背中に男の汗を感じつつ、乳首をつままれた。 「んんっ、ちょっと…、痛いっ」  童貞かのように、僕は乳首を強くつままれた。 「ご、ごめんよ。こうやって、藍君の乳首を触れているのが嘘みたいで、ちょっと力が入りすぎちゃったよ」  焦っているように感じられるが、きっと心の中で笑っているのだろう。 「今度は優しくするからね」と、僕の耳元に熱い息がかかる。 「ぁんっ」  あんまり変わったように思えないが、これ以上言うと怒らせてしまい、暴力を振るわれると厄介だ。前はもっと酷かったから、まだ耐えれる範囲である。 そして、流れるように姫抱きをされ、大きすぎるベッドに横にさせられる。ムードもなにもなしに、直ぐ様僕のベルトを外し、ジーンズ、パンツの順に脱がされた。全裸にされた僕の体を、首から足の指先まで舐める。フェラに関しては、「まだするか」と思う程、時間をかけている。しかし、技は人並み以上で、こんなフェラは今までで初めてで、何度もイかされる。 「あぁんっ、イくっ…んん!!」  シーツを掴み歯をくいしばりながらイき、息を切らして男の顔を見た。男は満足そうな顔をし、「やっぱり藍君は可愛い。メチャメチャにしちゃいたいくらいだよ」そう言って、僕の腰から太ももへと流し触り、僕と濃厚なキスを交わした。  その後に、僕の尻の穴に指をゆっくりと入れ、出し入れをしたり、指先で中をかき回したりし、二本ほどの指がしっかりと付け根まで入ると、ようやく男が服を脱ぎ始めた。汗をかき、着ていた白いワイシャツは少し透けていた。そして、急ぎ過ぎてベルトを外す事に手こずっていたので、僕はゆっくりと起き上がり、男のベルトを外し、黒いズボン、水色のストライプパンツを脱がすと、そこには思っていたよりもはるかに大きいモノが、しっかりと上を向いていた。  先端を人差し指で触りつつ、「こんな大きいの、入るかな?」と、男に言った。 「大丈夫、痛く無いようにするから」そう言って、僕を優しく押し倒し、僕の尻の穴にモノを当てた。そして、ゆっくりと入れてきた。 「あぁぁあっ、あぅぅあぁっんっ!」 「凄い。私のちんこを全部咥え込んだのは、藍君が初めてだよ」  そんな言葉もかすれて聞こえるほど、僕の頭は既に回らなくなっていた。 「ゆっくり動くからね~」  発言通りにゆっくりと男は腰を動かし出した。ゆっくりと言っても、ギリギリまで抜き、そしてまた奥まで入れるので、ゆっくりでもとても感じてしまう。 「あ、ぁんっ、んんっ!、んんっあっ、ぁああ!!」  入れられて数分をしないうちにイッてしまった。僕がイッたすぐ後に、男は僕の中でイッたのだ。大体の男は礼儀があり、ゴムを付けるか、外で出すかはしてくれてはいたが、中に出されたのはいつ振りだろうか。久しぶり過ぎて、体が上手く反応できていない。  それから、何度も奥に突かれ、頭はどんどん何も考えられなくなっていく。もう、何度イッて、何度中に出されたかも分からなくなっている。 「藍君って、エロいね」それが、最後に聞こえた言葉だった。 目が覚めると男の姿はなく、ライトスタンドが置いてある小さな棚の上には、ホテルオリジナルのメモ紙に[ 最高だったよ、藍君。また、機会があったら宜しくね ]と、大人の上手さというのだろうか。筆記体のようにつなげて文字が書かれていた。そして、その横には茶封筒が置かれてある。  中身を確認すると、一万円札が十枚入ってあった。 「昨日の方が、多かったな…」  しかし、もらえるだけでもと感謝し、そっと懐に入れた。  部屋を出ると、エレベーターに乗り一階のフロントを通ってホテルを出た。今日はその間、誰ともすれ違わなかった。平日の朝方だからだろうか。

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