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朝目が覚めたら

――朝目覚めたら横に知らない男が寝ている。 そういうのってわりにあるシチュエーションだと思う。 ドラマとかそんなんじゃなくってリアルにもありえるよな。 だってさ酔っぱらって、もしそのときにタイプのやつがそばにいたらうまくいけばーとか思うわけだ。 で、まぁ俺の場合ゲイだから見知らぬ男とってなるわけで。 それで――うん。 いままさしくそのシチュエーションなんだけど。 ラブホで全裸でまわりには使用済みのゴムの袋だとか、丸まってころがってるティッシュだとか。 うん。 ……なんで俺、ラブホきたー!!!! だって俺、今金欠! バイト代まだ入るのさ来週だし、小遣い使い切ってるし、まだ高校生だし。 相手が気前のいーにーちゃんとかならわかるが……。 って、そういやーとちらり横見た。 枕に顔を突っ伏してうつぶせで寝てる男。 まぎれもなく男。 背中だけでもわかる、わりと鍛えてるって。 そんでもって金に近い髪色。 ………ヤンキー!? うおー!俺、なんで!? ………っていうかさ、この髪の色ってすっげぇ見覚えあんだけど。 朝目覚めたら知らない男がいることもある。 けど―――ドラマなんかじゃ逆に"知り合い"ってケースもある。 絶対絶対後者じゃありませんよーに!!!!!!!! 必死で念仏唱える勢いで願いながら、どうにか顔を見れないかと覗きこんだ。 ていうかさ、枕に顔埋めてるから覗きこんでも全然みえねーのね。 ……知り合いだったらなぁ。 もし"あいつ"だったら。 いやいやいやいや、ねーよ!!! いやでも、もしも、ってことがあったら。 ソッコー、ここ逃げなきゃなんねー! いや、確認する前にもう逃げるか? だって金持ってねーし! 財布すっからかんだし! 昨日従兄のたっちゃんが飲みにつれてってくれるーって言うから、奢りだっつーから行ったけど、金もってねーし。 ていうかたっちゃーん、俺置いて帰ったわけ!? ああああ、俺もやっぱ逃げよう! とりあえず服、服! きょろきょろあたり見まわしてベッド下に落ちてた俺の☆模様のトランクスに手を伸ばした。 「―――んだ、もー起きたんだ?」 「……」 俺じゃない、声。 俺の後ろでシーツの擦れる音がして、寝てたヤツが起きる気配。 ……ていうか、この声。 「あー……だりぃ」 「……」 「なー、ここって朝飯とかも頼めんの」 「……」 「おい、聞いてンのかよ。―――兄貴」 「……」 「おい」 「ぎゃああ!」 氷だ! 俺は氷だ! って念じてたのにいきなり後ろから羽交い締めにされた! うおー!!!! 神様嘘だ嘘だと言ってくれ!!! 「なに無視してんだって、おら」 無理やり後を振り向かされる。 寝ぐせのついた金髪に切れ長の目、俺なんかより数倍整った顔。 もー毎日見てます、はい、な、俺の―――弟。 あ、でも義理ママの連れゴだから、血はつながってねーけど。 いやでも俺が4歳でこいつが2歳のときから一緒にいるから俺的にはちゃーんと弟なんだけど。 「しょーがねーな。ほら」 「ひぎゃっ!!!」 いきなりマイサンを掴まれた。 しかも……弟くんが俺の腰に腰を寄せてんだけど。 「……お、おまえ、なんで勃ってんの!?」 「朝勃ちだろ? せーりげんしょーでしょ」 言いながら弟くんこと尚は俺の息子をモミモミしてくる。 「……っやめー!!」 「もう勃ってきてんじゃん。ちょーどいーし、朝の一発シよーぜ」 「はぁ!?」 なにがちょーどいいんだよ、っていうかやっぱ俺達……。 「な、なぁまさかだけど、ヤった?」 モミモミされてびくびくしながら恐る恐る尚を見る。 尚はニヤリと口角を上げると舌を出してべろりと俺の頬を舐めてきやがった。 「ヤった」 「……お、お、おれたちは、きょ、きょうだいだぞお!」 「つーか誘って来たの兄貴だし」 「げえ!? う、嘘だ!!!」 「全然覚えてねーのかよ」 「覚えてねー……っあ! だから揉むな!!!」 叫びながらも結局モミモミされつづけ、尚が昨日の話をしてくれた。 なんでもたまたま俺とたっちゃんが三軒目に行く途中に出くわしたらしい。 いや、ていうかさ夜中にお前なにやってんの。 まだ高一でしょ。 金髪な尚くんは見た目どおりにヤンチャくんで、夜中遊び歩いてたりするのは知っていた。 「ま、簡単に言えば達兄が酔っぱらっててのつけられねー兄貴を俺に押し付けてどっか行って、そんで兄貴は酒のせいでムラムラするとか言って俺をここに連れ込んでヤったってわけ」 「……」 確かに俺って酔っぱらうとヤりたくなるんだよなー。 そっか……それでこいつと……。 「って! お前ー! なんで抵抗しねーんだよ! どう考えてもおかしいだろ! 拒否れよ!!!」 俺と違ってこいつはノーマルだったはず! 女の子と歩いてんのみたことあるし!! 叫ぶ俺を尚は押し倒して馬乗りになった。 自動的に尚のが見えて……。 「……デカ」 2歳下のくせに俺よりデカイのをモミモミされたせいで勃った俺の息子ちゃんに擦りつけてくる。 「……ッあ、ん……ってだから、なにして……! お前っ、ゲイじゃねー……だろっ」 俺のと尚のを二本一緒に握りこんで緩く腰を動かしてくる尚。 朝勃ちだろ?!な尚のはやたら濡れてて擦れるたびにクチュクチュ音を立ててる。 あー! やべぇ……気持ちいい! 「やめろって!!」 そう言いながら――。 「よく言うよ。腰動かしてるくせに」 ……尚の言うように口だけで、快楽に弱い俺は特に抵抗してるわけでもなく摩擦を強めるように腰を揺らしてた。 「しょーがねーだろ! きもちいーんだからー! って、だからなんでお前ー!」 「うっせぇな。お前のせーだろ、バカ兄貴」 「はぁ?」 「昔っから親が共働きなのいーことに男連れ込んでヤりまくりやがって。しかも声デケェんだよ、淫乱」 「こ、声って! お前聞いてたのか!!」 「聴こえるっつーの。あのぼろい中古マンションの薄い壁越しに聴こえねーと思ってたのかよ」 「だ、だって! しょーがねーじゃん! 学生なんだから家でするっきゃねーだろ!!」 「こっちの身にもなれっつーの」 「で、でもお前女の子が好きだろ!? 俺、男だぞ!?」 「てめぇの初体験中二だろ。たっちゃんと」 「……えぇ……」 「俺は小学生んときからテメーの淫乱声聴かされて、多感な時期成長してきてんだよ」 「……えっ、なにじゃあお前……ゲイになっちゃったの」 「んなわけあるか」 「じゃあなんだよっ……っあ」 一緒にモミモミシコシコされてたのが急に解放される。 ぽつんと一人ぼっちにされてしまった息子ちんが寂しげにぶるんと揺れる。 「男なんかと誰がヤるかよ。女食いまくって発散させてたのに、ボケ兄貴」 「はぁ!? だから、なんでじゃあ!」 「だ、か、ら!」 いきなりひざ裏抱えられて腰が浮く。 鋭い眼光でにらまれて、めちゃくちゃこえぇ!!! ていうか……ぐちゅ、とどうもかなりナカだしされまくってるらしい俺のアナルに尚のが先端がめり込んできた。 「男なんてどーでもいい。女もどーでもいい。ずっと俺は」 ぐぐっと腰を押し付けてくる。 尚のがぐちゅぐちゅとローションの残りやら精液を掻きだしながら俺のなかを押し広げていく。 「っあ、ンン……っ」 やっばい!!! 気持ちいい……! サイズとか硬さとか熱さとか、かなり俺のツボにハマって理性は分断。 もっと奥まで咥えこもうと腰を揺する。 「おにーちゃん。お前を犯そうと思ってたんだよ」 ぐちゅんと深く突き刺しながら俺の顔を覗き込んで尚が色っぽい吐息を吐きながら言った。 「俺以外じゃ物足りなくなるくれー犯しつくしてヤるよ」 なんて尚が激しく腰を打ちつけだす。 「ひっ、あっ……んっあ、やぁ……っ、尚っ……んっあ!!」 兄弟なのに―――俺達!!!! ……なーんて思うのはコンマ一ミリ程度。 強引俺様ドSがタイプの俺には尚の告白はドストライク以外なにものでもなく……。 「んっ、尚っ、あ、ん!!」 気持ちいいし、尚かっこいいし、兄弟つっても血繋がってねーし、気持ちいいし、尚のでかいし、気持ちいいし(以下略)。 とりあえず―――ま、いっか!! 「尚っ、もっと!!」 なんて、ヤってる最中は甘えた病が発症する俺は必死に尚の腰に脚を絡めながら―――近親相姦凌辱プレイを味わったのだった。 *おわり*

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