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第44話
クロが徐にオレの手を取って、手のひらを指の腹で擽る。
それが、くすぐったい様な気持ち良いような。
「ん...くすぐったいよ」
「そうか?りおの手...りおの指...細くて、長くて、この指は宝だ」
「は?...ちょ、擽ってぇよ!」
よくわからん事いってると思ったらまた、指を絡めたり擦ったり。
「っ、クロ?」
「りおの、指...」
そう言って、クロはオレの指を口へと含んだ。
ぬるりとした、舌の感覚とクロの口内の温かさ、そして手のひらはクロの親指がやわやわと刺激を与えてくる。
「ん、舐めんなって」
「やら」
咥えながら喋るなっ!
でも、案外指も性感帯らしくオレは段々とその行動に快楽を拾い上げ始めた。
「っ、ク...ロ」
「気持ちいいか?」
聞くなよ。
クロ与える刺激はもう、気持ちいい以外の認識が出来ないんじゃねぇかな。
「好きだ。」
「っ...今言うの、反則だろ」
植え付けられる、好きの言葉にオレは身動きが取れなくなる。
「何故」
「お前なぁ...っ、やめ」
「好きだから、こうしたい。」
なんなのこの子、エロ神の落とし子とかじゃないだろうな!?
童貞ってのが嘘なのか!?
なんか、慣れてる感じめちゃくちゃすんだけど!?
「クロ、やめろって」
クロの口に入ってた人差し指を引けは、ちゅぽん。と、音を立ててオレの手が離れた。
クロは自分の口を袖口で拭いながら、オレを見て、溜息を吐いた。
「りおは、ほっとくと俺に言わないで一人でするから、もう待つのやめた」
「はえっ!?ん、クロさん?」
クロの膝の上、横抱きにされて髪や頬やらにキスを落としては手のひらを擽る。
「ちょ、ん...クロっ」
「はっ...りおのその声、興奮する」
こらこら。
君が興奮してどーすんの。
出してもらうのはオレだからね?
「りお、どうすれば気持ちいい?」
オレの身体撫でながら、クロが聞くから答える。
「っ、あー...何しても気持ちは、いい」
そう言ったら、クロがオレを抱き締めて身体が前に押し出されると、指が。
「なら、ここに挿いらなくても...?」
そう言いながらオレの入口に、ズボン越しで触れて来た。
「っ、あっ!」
ゆるゆる撫でてる筈なのに、オレの神経はクロの指の動きを追う。
ひくひくと、オレの中が収縮してるのが解った。
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