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第56話

クロは、泣きそうな悲しそうな顔でオレを見て、息は短く吐いていても首を左右に振ってオレに言う。 「りお、違う...」 もう、わかった...わかったから、これ以上オレを傷付けるな。 「早く、動けよ、下から突き上げてオレを壊れるほど抱けばいい」 少し腰を揺らせば、オレの口もビリッと痛みを訴え、そして内壁がその大きさにジワジワと拡げられる感覚にまた身震いが込上がってくる。 「違う...」 違わねぇよ。 何も違わねぇ... 「なんで萎れんの!?」 中のクロが、みるみる萎びて...なんだよ、オレを抱きたいってのも嘘かよ。 「俺、こんな風にりおと繋がりたかった訳じゃない...」 哀しそうに言われて胸が痛むが、違う...本当に違う。 「セックスなんてこれしか出来ねぇだろう!」 男同士だとここしか繋がれねえんだよ。 「そうじゃねぇよ!」 じゃぁなんだと言うのか。 オレはクロの上で、見下ろしているとクロが身体を起こしてオレを抱き締めた。 まだ、クロはオレの中に存在してるが、やはり萎れたままで、オレは全裸だけどクロのオレが乱したパジャマがなんかエロかった。 「りお、違う...あの時は本当に襲われた... 俺、プロ入りして2軍で野球してて...直ぐに足やって、こんなんじゃ野球出来ねぇし実家が近いから、りおの家...様子見にきた。 プロ入りしたから、りおの球を受けれるって...でも、そこで覗きと間違われてボコられて挙句、りおに見付かった。」 はーっと、息を大きく吐きながらクロは言い切ったが、なんか凄いこと聞こえてきたけど!? 「間違われてねぇよ、それは覗きだろ。そして、プロ入りってなんだよ!?」 「りおと野球したい一心でプロ入りしたけど、りおが居なかった」 あ!た!り!ま!え!だ! 「ナニ!?馬鹿なのか?お前愚直過ぎんだろ!なんでオレなんかにこだわるんだよ!」 「好きだから」 あっさり返されて、オレは次の言葉が出なかった。 「好きならなんでもしていいのか? 」 「ダメだ、だから俺が...りおを傷付けたくなかった...」 「だったら、先に言えよ!何だってこんな面倒になるんだよ!」 「りお、ごめん、こんなに好きでごめん」 「お前なぁ...っ、あ!」 そう言うとクロが中で力を取り戻し、オレの中でムクムクと膨張して行くのを感じて オレの中が震えた。

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