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第57話
クロの突然の膨張に、オレの中を電流が駆け巡ったかのように痺れた。
クソっ、だからビッチって言われんだよな。
「りお、りお...りおが欲しい...りおの心が」
そう言って、クロがゆさっ...と、オレを揺らすとクロの形を覚えた中がビクビクと蠢く。
「んっ、ばか、やめろって」
オレはまだ、許してない...
「っ...凄い、搾られてる見たいだ...っ。
りおが、挿《い》れたのに、やめんの?」
そう言ってまたゆさり...と、揺さぶる。
「じょ、状況が違うっ!話しっ、んんっ...ぁ」
中のクロがもう1段ギアを上げたのか、オレの中がギッチりと隙間なく埋まる。
「すき、好き...りお、りお...俺のりおになって?」
そう言って今度は2度...オレを揺さぶる。
「はぁっ、ひっ、ぁあっ!」
嬌声が止まんねぇ。
「りおの全て...りおの中、りお、りおが欲しい」
オレの髪を柔らかく撫でて、下半身はぎちぎちなのに、優しく撫でられたら胸が締付けられる。
「っ、はっ...クロ、お前怖い...んな、ガキの頃の思い引き摺ってこんなとこまで来て...」
なのに、心は揺れてる。
「わかってる、俺もこの消えない思いが怖かったから。
年数超えれば、忘れられると信じてた...でも、りおの会社帰りと、俺の帰りが偶然重なって...りお、りおを見付けてしまった。
運命 とか、そんな事わかんないけど...りおが、手に入らないと思ってたりおが居たんだ。
舞い上がって何が悪い」
そう、言葉を切るとクロの両手がオレの腰を支えて荷重を掛け、下からは腰が押し上げられて挟み込まれた。
きゅうきゅうと、オレ自体がクロを型どってその形にしっかりと馴染んだ頃合いの突き上げは酷くオレを狂わせる。
「んっ、かはっ、う、ぅああっ!」
クロの肩に両手を置いて、高くもない天井に向かって口を開く。
呼吸が、ままならずはくはくと酸素を肺まで通すと、今度は突かれても居ないのにビリビリと身体に電流が走る。
「く、ろ...苦しいっ...」
キツくて苦しくて、今までにない大きさだからと思ってたけど...違う。
胸が、ツキツキ傷んで...騙されてた事に対する苛立ちはクロの【 好きだ】のたった一言に払拭された。
「りお、キス...して、俺に...りおを頂戴?」
堕ちたな。
もう、ダメだ...この快楽が思考を乱すのかオレ自身が乱れてるのか...。
「オレっ、ひねく、れてんぞ?」
こんなオレを求める存在を、無碍 にできない...
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