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第2話
平日の午前10時。
すでに日はかなり高くて暑い。かかって来いよと言わんばかりの、挑戦的な夏の気配を感じる。
湿度は低い。拭うほどではない、滲み出るような汗をかいた。
空港に降り立つと多少冷房がかかっていたから、まぁまぁ暑さも我慢できたけれど、いかにも海外の地方空港って感じの騒がしさにゲンナリした。
建物自体も古いし、明らかに英語じゃない言語が声高に飛び交っていて活気がすごい。不衛生さからくる独特の生臭さも漂う。建物から出ると余計顕著で、敷地内なのに物売りが思いっきり地べたに座って客引きをしていた。
どうしても日本の空港に見慣れていると、呆気にとられちゃう。
こんなところで呆気にとられてはいられない。目的地はまだまだ先だ。
カートを引っ張って外に出る。サイドバッグに忍ばせたサングラスをかけた。
(あ、日焼け止めクリーム、カートの中だ)
まぁいいか、焼けたところで大した肌じゃねぇし。
日差しの強さは日本の真夏の炎天下とさして変わらない。Tシャツにジーパンでちょうどよかった。絶対暑いからサンダルにしようと思ったけど、変な虫に刺されたら嫌だからやめたんだ。
「すいません、ちょっと聞きたいんですけどいいですか」
近くにいた青いアロハシャツの男性に声をかける。ここの空港職員のユニフォームだそうだ。
恰幅良く、思っ切り笑顔で「ヘイどうした!」と尋ねられて、ああ本当に南国っぽいと思う。
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