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第95話
数日後。
帰国日、後輩がカノジョと一緒に空港に出迎えに来ると言っていたのだが、正直全然期待してなかった。送迎デッキを出ると、出てすぐのところに本当にいて、驚いたほどだった。
よ、と左手を上げた俺と、隣にいる細っこい男と指を絡めて手を繋いでいる後輩。
直後、俺も後輩もお互いを指差して爆笑した。
「お前っ、カノジョじゃねーじゃん!男じゃん!!」
「マジかよ兄さんっ、左手ウケんだけど!ちゃっかり指輪してんし!!」
ーその後。
彼の会社が日本に拠点を移すこととなり、さらに “翻訳家の日本人男性” との結婚を発表して世界中を騒がせたことは、また機会があったら話そう。
終
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