95 / 97

第95話

数日後。 帰国日、後輩がカノジョと一緒に空港に出迎えに来ると言っていたのだが、正直全然期待してなかった。送迎デッキを出ると、出てすぐのところに本当にいて、驚いたほどだった。 よ、と左手を上げた俺と、隣にいる細っこい男と指を絡めて手を繋いでいる後輩。 直後、俺も後輩もお互いを指差して爆笑した。 「お前っ、カノジョじゃねーじゃん!男じゃん!!」 「マジかよ兄さんっ、左手ウケんだけど!ちゃっかり指輪してんし!!」 ーその後。 彼の会社が日本に拠点を移すこととなり、さらに “翻訳家の日本人男性” との結婚を発表して世界中を騒がせたことは、また機会があったら話そう。 終

ともだちにシェアしよう!