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Ⅰ【荒城の月】 第11話
運命の『番』というものがあるらしい。
αとΩ
唯一無二の
魂に刻む絆
この世界にたった一人だけ存在する、運命の『番』に巡り逢った時
魂の絆が引き合い、互いの魂が交錯し、運命のαと運命のΩが結ばれるという。
そんなもの信じてはいないが、もしも運命の『番』が存在するのだとしたら
紛れもなく
運命の『番』は、アキヒト
(お前だ)
お前の暗く気高い恨みの火こそ、俺を照らす。
好きだ、アキヒト
恨みに堕ちる事なく『生』に執着する生き様こそが、ほんとうの闇だ。
救われるかどうかも分からない、先の見えない闇を歩く、お前の足音を聞く度に俺の胸は高鳴るよ……
見せてくれ
お前の憎むαが、この世からいなくなった後、お前はどう歩くのか
歩けるのか
だから俺は、運命の『番』など信じない。
アキヒトに出逢ったから?
違うな
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