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Ⅴ【マルク】第6話
ハァハァハアハァ
呼吸が揺れる。
ユキトっ、どうしてっ
どんな顔でユキトは俺を見ているんだ……
(もしかして見張られているのか?)
そうなら、不用意な行動は起こせない。
俺はユキトに従うしかない。
クソッ、目さえ見えれば!
まるで状況が分からない。
「脚を開け」
声に、肩がビクンッと揺れた。
「開け!さっさとしろ」
見張られている可能性がある。今は従うのが得策か……
俺は、αに飼われるΩだ
正座のまま、おずおず脚を開いた。が……
「よがっている時のお前は、こんなもんじゃなかったろう?」
(なッ)
ガチャン
鉄格子が鳴って、下から侵入してきたつま先に強引に脚をこじ開けられた。
「膨らんでるのは分かってるんだ。見せつけろよ、どこでも発情する猥褻物を」
服を着ているから、直接は見えない。
でもっ。
……視線を感じる。
ピッタリ体を覆うパイロットスーツは、体のラインが丸分かりだ。
……下半身の中心が、パイロットスーツを押し上げている。
「……もっと開けよ」
強引なつま先に逆らえない。
脚をこじ開けられて、恥ずかしくテントを張る股間をさらしている。
バランスを崩して前のめりになった体を、鉄格子越しにユキトが支えた。
指が一筋這った喉をのけ反らせた。
顎を持ち上げられて、鉄格子の上に置かれた。
手は、後ろ手に手錠を掛けられている。
脚を開いて、上半身を伏せて
鉄格子に顎を乗せられて、顔だけ上を向いている。
これじゃあ、動物だ。
ほんとうに四つん這いにされている。
「嬉しそうだな?また大きくなったぞ?」
そんな筈ないっ!
熱をもたげるなんて、あり得ない。
……けれど。下腹部でアレがドクドクする。ビュクビュク熱くて、質量を増している。
こんな事されて、あり得ない…のに。
「…………変態」
耳朶の吐息が笑った。
(ユキトっ、どうしてっ)
顔を背けようとしたけれど。顎を捕まれて、意思表示の自由すらも奪われた。
ハァハアハァハァ
呼吸が熱い。
「……優しくしたいんだ」
(ユキト?)
「俺の言う事を聞いてくれたら、優しくしてあげられる。だから……
辛いだろうけど、言ってくれないか?恥ずかしいのは、今だけだから」
ユキトが見ている。
いつものユキトの目で、俺を……
「大丈夫。俺しか聞いてないよ……ねぇ」
ツンツン
つま先が昂りをなぞる。
「ココにあるコレ、なんって言うの?」
……………………言えない。
そんな名前
恥ずかしい。
無理。
「分からない?右手の大好きなコレだよ。
夜な夜な膨らませては、こすってよくするお前のムスコの名前は、なに?」
そんな事しないっ。
毎夜しないっ。
「3文字だから簡単だろ。……ほら、また大きくなってる。言ったら楽になれるから」
ツンっ
つま先がソレを弾く。
「……ここ、俺も大好き。早く触らせて」
切なげな吐息が耳朶を濡らす。
「俺……早く触りたくて、苦しいんだ」
(ユキト………………)
「お前の欲しがってるモノは、俺も欲しいんだよ」
唇が揺れた。
ハア……ッハァッ
乱れる呼吸の狭間、唇で紡ぐ。
………………………………ち、
口を一旦閉じて、結んだ唇を薄く開くと息を吐き出した。
(言えたよ、俺)
「………ダメ」
なんでっ?
俺、恥ずかしいアソコの名前、ちゃんと言ったのに。
両手が頬を包んだ。
「もっと大きな口を開けて、言ってくれないと。なに言ったか分からない」
そんなっ。
もう一度、あの場所の名前を言えというのかッ!
こんな羞恥……耐えられない。
「俺にもお前にも付いているモノなんだから。恥ずかしくないよ」
恥ずかしい。
恥ずかしいモノは恥ずかしい。
アレをもう一度、俺の口で……なんてッ
「一度言ったんだから、この口は卑猥な言葉を覚えてしまったんだ。簡単だろう。
もう一度、ギトギトのミルクをお漏らしする愚息の名前、呼んでみてよ」
許してッ
頬の掌の温もりが、俺を縛る。
淫猥な檻から出してくれない。
「俺を興奮させた責任、取ってくれるだろ?」
息が、震えた。
ハァッ……ハッ
息が淫語を紡ぐ。
…………………………………ち、ん、こ
「よく言えたな?ワイセツ人形。褒めてやるよ」
後頭部を押さえつけられる。
頬に擦りつけられて、顔を背けようとしたけれど、強引な手が許さない。
顎を持ち上げ、引き寄せられて、ユキトの熱い怒張を着衣の上から咥えさせられる。
「猥褻な口にお似合いの大好きな雄汁、ぶっかけてやるよ」
頭を押さえつけて、腰がやらしく円を描く。
口の中の熱脈が膨張する。
「お前、太いのが好きだったよな?涎垂らして……せっかくなら、音を立てて俺を悦ばせろ。
股間を膨らませた痴態で、吸え」
チュウゥゥゥー
口の中を支配する雄に吸いつく。
「淫猥動物にしては上出来だ。ご褒美にカリの張ったでかい雄しべを、味わわせてやる」
ツンっ……と。
雄の臭いがした。
ジッパーを下ろして、ブルルンッと取り出された……凶悪な形に姿を変えた熱塊が、鼻先で脈打っている。
俺の……脚の付け根の昂りにドクンっ、と血流が集まる。
「卑猥な口に似合う化粧をしてやろう」
ペチン
熱く脈打つ肉棒ではたかれた頬に、ベトリと先走りの白い粘液が付着した。
「どこに欲しい。前の口か?後ろの口か?俺は、たっぷり楽しみたい」
汗ばんだ指先が頬に触れた……
「長く楽しめる場所を選べよ?お前は早漏なんだから」
感触を確かめるように這った指先が、頬に雄を塗り込める。
白濁の蜜で化粧された頬を、慈しむ指……
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