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Ⅴ【マルク】第38話

「ナツキを俺のものにする」 腰を抱え込まれた。 「いっぱい気持ちよくしてあげる」 「……ぁ」 蕾にアレがあてがわれる。 ……ユキトの、熱い。 「ヒクヒクしてる。……俺を食べたい?」 そんなの言えない。 ユキトが欲しいなんて。 でも。 なのに。 「言って。俺が欲しい?」 真っ直ぐで、優しくて。 雄の欲に濡れた闇色の玲瓏が、俺を見つめている。 「………いじわる」 聞かなくたって分かってるクセに。 「そうだね。優しくしたいって思うのと同じくらい、意地悪したくなる。 でも、意地悪な俺が好きなんだろ」 「ユキトなんか挿れてやんない」 「じゃあ、どうしたら挿れてくれる?……例えば、こう?」 「ヤァァーッ!」 後孔をグリグリしながら、前の昂りを上下に扱かれる。 熱が集まる。 後ろのヒクヒクが止まらない。 「イクっ!」 「イカせない」 血管の浮き出た熱脈を弾いて、プルンと弄んでは、またすっぽり手の中に握られる。 「やめっ」 「やめてほしいの?なら、いつでもやめてあげるけど」 「そうじゃなくってッ」 ユキトが手を動かしてくれないから、腰を振って、手の中のアレを刺激するけどダメだ。 こんなんじゃ、物足りない。 もっとぉ~ もっとイケる刺激が欲しい! 「俺を求めて。そしたら、もっと凄いコトしてあげるよ」 「アゥゥー」 ユキト……… 「お願いぃ……」 腰を振って。 後ろに当たる先っぽをこすりつける。 「…………俺っ…キライにならないで」 「えっ」 「淫乱な俺、嫌わないでっ……」 「ナツキ?」 「ユキトぉ、我慢できない」 ユキトの………… 「ユキトの淫棒、欲しいぃ~ッ!!」 これ以上開けられないくらい、脚を広げておねだりする。 「淫棒~…挿れてっ」 「なんで、こんなに可愛いんだよっ」 入り口の肉を指先がなぞった。 「淫乱なナツキが大好きだよ」 グイっと腰が進む。 孔が張り出した先端に押し広げられる。 「アアッ」 「大丈夫。ほぐしてるから入るよ。息、吐いて」 言われるままに息を吐き出した瞬間、熱脈が割り入ってくる。 「アアアァーッ!!」 無理だ。 キツイ。 もう無理ッ こんなぶっといヤツ、入らないからユキト! 「……抜いて…くれッ」 「がんばって。あともうちょっとだ。もう亀頭が入ってる。 一番太いトコロが入ったから、ゆっくり進むよ」 「………き…と、う………」 真っ白に朦朧とする意識の中で、言葉の意味が理解できない。 とにかくお尻の中に違和感がある。 これが、きとう? ユキトのきとう……… 「こら。まだ締めつけちゃダメだよ」 萎えかけた前の昂りを撫でられた。予期せぬ快感に息を飲んだ刹那に、グググゥーと孔の中に熱い肉が入ってきた。 「アゥアァアアッ!!」 お尻、裂けるッ 「息吐いて。あと少しで全部入る」 うそっ。 まだなのかっ。 こんなに奥まで、肉の感触があるのに。 「抜いてッ」 これ以上、奥はダメだ。 「奥、怖いっ」 「大丈夫。大丈夫だよ」 なだめるように柔らかくなった前の竿を握って、上下に手を動かす。 「気持ちよくなってきただろ」 前の快感なのか、後ろの快感なのか分からない。 後ろの異物が悪寒となって背筋を駆けた。 ゾクリ…… 一瞬 気持ち悪さを、神経が勘違いした。 (気持ちイイ……) 「ハゥアアアーッ」 肉が孔を割り開く。 「がんばったね、ナツキ……」 ハァハァハァハァ 熱した呼吸が肌に降る。 ビュクビュク 体内で熱の脈動が跳ねている。 ユキト、の……… 雄が俺の中にいる……… 「お前は汚れたよ。綺麗な体じゃなくなった」 俺っ………… 俺の体………… 「ユキトのものになったのか?」 「そう……」 見下ろす瞳の闇に吸い込まれる。 「全部、俺のものにしたよ」 ナツキ……… 声が俺を呼んだ。 愛しく、切なく。 ナツキ……… 俺を呼ぶ。 「ありがとう。俺にナツキをくれて」 両腕が抱きしめる。 汗ばんだ熱い体温に包まれる。 「ナツキの全部を愛している」

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