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Ⅵ【ファウスト】第57.5話 (おまけ+)⑩
《おまけ+》
- Romantsch hört nicht auf .
〔ロマンチックが止まらない〕⑩ -
夫婦の営みがバレてしまった……
正確には、営んでいない!
だがっ。
営んだも同然だ……
嗚呼 。変態アホエロ夫婦認定、決定だ。
艦内放送により、流出してしまった……
俺達夫婦の会話の全てが!
クッ、俺が『ピンポンパンポーン♪』を押してしまったばかりに~
………夫婦の秘め事がっ
マルク艦内 全αの知るところとなってしまった……
地獄の戦場に叩き落とし、αが恐怖するシルバーリベリオンたる、この俺が!
おのれッ
なぜ、乳首の色を全てのαに知られなければならないっ?
~『ピンポンパンポーン♪』
貴様らに追加情報だ。
俺の乳首はビターじゃない。
焦がしチョコでも、カカオ72%でもない。
ミルクチョコだ!
ミルクチョコレート乳首だ!
……ちょっと可愛いだろ?
~『ピンポンパンポーン♪』……
……って、俺はなにを言ってるんだァッ
チョコラBBを飲めば、かつての桜色の淡い乳首に戻れるだろうか?
あれは細胞の新陳代謝を助けるんだ。
しかし、チョコレート乳首は肌荒れではないからな?
『君の乳首は、このままでいいんだよ。
可愛いチョコベビーだ。乳輪も合わせるとマーブルチョコになるね』
「兄上、チョコベビー ジャンボもありますよ」
ユキト!ハルオミさんに乗っかるなっ。
俺の乳首をジャンボにするんじゃない!
「えっ。統帥がジャンボにしたいのは、モンキーバナナでしょ!」
「やかましいわっ!」
アキヒト、お前もかッ
『そうなんだよ、ジャンボなんだ。
私の《トリスタン》がジャンボになってしまってね。このままだと、はみ出てしまうよ』
「知らんわっ!」
勝手に、はみチンしとれ。
『私の妻はつれないね。君の一口サイズ氷バナナのせいで、ジャンボになってしまったというのに』
俺のはジャイアント・キャベンディッ……
「島バナナだよ!」
「モンキーバナナだ!」
ユキト
アキヒト
「お前らは~ッ♠」
『ナツキはいいね。可愛い一口サイズのバナナは、はみ出る心配がないからね』
ハルオミさん!
あなたが一番、悪意を感じるな!
『いつも皮の中に収納されて、はみ出ない♪いい子のバナナだよ』
悪意の塊だな!
「ズボンはけばいいだろ、ハルオミさん!」
さっさとはいて、ジャンボを安全な場所に収納しろ。
不意に……
フゥッと、藍の双玉を細めた。
矢のような視線が、鼓動の真ん中を射貫く。
『私の《トリスタン》にズボンの文字はないよ』
「あほかーッ。はけ!はかないと公衆猥褻罪だッ!」
『私はね、妻を信頼している。ナツキ……君を信じてるんだよ』
「………ハルオミ、さん……」
瞳のサファイアに心音を絡めとられて、視線を逸らせない。
『もしも、はみ出てしまった時は、ナツキ……君が咥えてくれればいい。
外に見えなければ、私の《トリスタン》は猥褻物にならないよ』
「あほかーッ!十分、公衆猥褻罪だわッ!」
『悲しいね。今後、公務は君に咥えてもらいながら行おうと思ってたのにねぇ。
内助の功というやつだよ』
それ、絶対内助の功じゃないっ!
俺の方が悲しいわ。
『さて。君に咥えてもらえないとなると、新たなジャンボ対策を取らなくてはならないね』
「兄上!俺のパンツをはいてください!」
『お前のを……だと?』
「そうです。兄上」
『しかしっ』
モニターの中の眼差しが逡巡した。
『お前の勝負パンツは、後ろが紐のビキニパンツだろう』
……勝負パンツの情報共有してるんだ。
さすがはエロエロ兄弟だな。
『気持ちは嬉しいが、お前の紐パンの面積では解決にならない』
「確かに、そうです。ですが、兄上!いい機会じゃないですか」
『なんの機会だい?』
「これを機に、白ブリーフを卒業しましょう!」
ギャーッ♠
あほユキトー!!
その話をするなーッ
『白ブリーフ……卒業……かい?』
「そうです!兄上も、いつまでも若くないんですよ。アラサーなんですよ!
青春を謳歌する歳は、とっくに過ぎてるんです」
『待ってくれないか』
「いえ、待ちません」
『困ったね。話が見えてこないんだけどな』
本気でハルオミさんが困惑している。
それもその筈。
ハルオミさんは既に、青春の白ブリーフを卒業済みなんだ。
俺が、ハルオミさんのパンツをブリーフと言ってしまったばかりに~
『すまない。無線だ』
通信ランプが点滅した。耳に掛けた小型無線機に、ハルオミさんが話しかける。
『……分かった。すぐ持って来られるか』
程なくして司令室の扉が開いた。入ってきたガスマスクのα兵が、書類の束を両手に抱えている。
『あぁ、これだね』
すくりと椅子から立ち上がったハルオミさんの後ろ姿が……
モニターに映し出された★
「ギャーッ!」
お尻ッ
黒い布地の上から、なぜっ……
お尻の割れ目が見えるんだァァッ!!
〈切なさは(フー)止まらない〉
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