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Ⅵ【ファウスト】第57.5話 (おまけ+)⑨
《おまけ+》
- Romantsch hört nicht auf .
〔ロマンチックが止まらない〕⑨ -
ピンポンパンポーン♪
「あ、艦内放送だ」
マルク浮上まで、5分20秒
《タンホイザー》の整備の手を止めて、艦内放送に耳をそばたてる俺は、ハラダだ。
先月、一等兵に昇格した俺の事なんか、皆は覚えてないかも知れないけれど。
α-大日本防衛軍 一兵卒の俺は、本来の職務であるジェネラルの整備を行っている。
マルク浮上前の最終チェックだ。
ジェネラル パイロットを送り出して、そして無事に帰還を迎えるために、頑張らなくちゃな!
しかし……
あと数分で浮上するこの段階で、艦内放送とはなんだろう?
きっと重要な周知に違いない。
フェロモン濃度が下がり、ガスマスク着用義務がなくなった……とか。
いや。
もっと重要な事だろう。
ジェネラルの整備は、戦闘に備えてのものだ。
戦闘に際しての情報の共有か。
それとも。
副総理直々の鼓舞か。
(そうだ)
そうに違いない!
戦艦マルク 最高責任者 シキ副総理が陣頭に立って、今から鼓舞が行われるのだ!
愛用のスパナを握る右手を、俺は固く結んだ。
拳を天に突き上げる。
「日本万歳!!」
勝利せよ!α-大日本防衛軍!
「日本万歳!!」
日本万歳!!
日本万歳!!
日本万歳!!
日本万歳!!
拳が天井を揺るがす。大詠唱が地鳴りとなって、地下格納庫を埋め尽くす。
「日本万歳!!」
我らがα-大日本防衛軍に栄光あれ!!
「日本万歳!!」
………『相互オナニー』
………………
………………
………………
へ?………………
艦内放送、なんつった?
……『私のココは、君だけの《トリスタン》だよ!』
……『俺の《リトル・トリスタン》発射準備完了しましたぁ~』
これはテストだ。
そう!放送テストに違いない!
テステス、テステス
………………
………………
………………
どうした、艦内放送?
テステス、言ってくれ!
………………
………………
………………
……『チョコレート乳首スイッチ、押しまーす』
……『同時発射だよ、いいね?』
……『デカいの、反り返ってるぅ♪』
……『アァっ、金玉からプロミネンスがせり上がってきたよっ↑↑↑』
………『『3、2、1』』
………『Achtung , Feuer !!』
カラン、カラーンッ
右手から愛用のスパナが、こぼれ落ちた。
あのバカップルは、なにやっとるんだァァァーッ♠♠♠
「日本バンザーイ💢💢💢」
ピンポンパンポーン♪……
〈切なさは(フー)止まらない〉
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