212 / 288

Ⅵ【ファウスト】第57.5話 (おまけ+)⑨

《おまけ+》 - Romantsch(ロマンティッシュ) hört(ホルト) nicht(ニヒトゥ) auf(アウフ). 〔ロマンチックが止まらない〕⑨ - ピンポンパンポーン♪ 「あ、艦内放送だ」 マルク浮上まで、5分20秒 《タンホイザー》の整備の手を止めて、艦内放送に耳をそばたてる俺は、ハラダだ。 先月、一等兵に昇格した俺の事なんか、皆は覚えてないかも知れないけれど。 α-大日本防衛軍 一兵卒の俺は、本来の職務であるジェネラルの整備を行っている。 マルク浮上前の最終チェックだ。 ジェネラル パイロットを送り出して、そして無事に帰還を迎えるために、頑張らなくちゃな! しかし…… あと数分で浮上するこの段階で、艦内放送とはなんだろう? きっと重要な周知に違いない。 フェロモン濃度が下がり、ガスマスク着用義務がなくなった……とか。 いや。 もっと重要な事だろう。 ジェネラルの整備は、戦闘に備えてのものだ。 戦闘に際しての情報の共有か。 それとも。 副総理直々の鼓舞か。 (そうだ) そうに違いない! 戦艦マルク 最高責任者 シキ副総理が陣頭に立って、今から鼓舞が行われるのだ! 愛用のスパナを握る右手を、俺は固く結んだ。 拳を天に突き上げる。 「日本万歳!!」 勝利せよ!α-大日本防衛軍! 「日本万歳!!」 日本万歳!! 日本万歳!! 日本万歳!! 日本万歳!! 拳が天井を揺るがす。大詠唱が地鳴りとなって、地下格納庫を埋め尽くす。 「日本万歳!!」 我らがα-大日本防衛軍に栄光あれ!! 「日本万歳!!」 ………『相互オナニー』 ……………… ……………… ……………… へ?……………… 艦内放送、なんつった? ……『私のココは、君だけの《トリスタン》だよ!』 ……『俺の《リトル・トリスタン》発射準備完了しましたぁ~』 これはテストだ。 そう!放送テストに違いない! テステス、テステス ……………… ……………… ……………… どうした、艦内放送? テステス、言ってくれ! ……………… ……………… ……………… ……『チョコレート乳首スイッチ、押しまーす』 ……『同時発射だよ、いいね?』 ……『デカいの、反り返ってるぅ♪』 ……『アァっ、金玉からプロミネンスがせり上がってきたよっ↑↑↑』 ………『『3、2、1』』 ………『Achtung(アハトゥング), Feuer(フォイヤー)!!』 カラン、カラーンッ 右手から愛用のスパナが、こぼれ落ちた。 あのバカップルは、なにやっとるんだァァァーッ♠♠♠ 「日本バンザーイ💢💢💢」 ピンポンパンポーン♪…… 〈切なさは(フー)止まらない〉

ともだちにシェアしよう!