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Ⅵ【ファウスト】第57.5話 (おまけ+)⑯
《おまけ+》
- Romantsch hört nicht auf .
〔ロマンチックが止まらない〕⑯ -
「なんで俺が、白ブリーフをはかなきゃいけないんだァァァーッ!!」
俺の股間を覆うのは、青春の白ブリーフだ。
名前を聞いただけでαが恐怖する、シルバーリベリオンのこの俺がッ
(………白ブリーフ♠)
クゥッ、こんな筈では。
Ω解放軍の皆には見せられない姿だ。
統帥のパンツが、白ブリーフ……だなんて~っ。
「あれ……ナツキ。俺のビキニパンツ、はいててくれたんだ!」
下着ごとズボンを下ろして、脱がしたズボンから目ざとくパープルの紐を見つけたユキトの声が弾んでいる。
(こうなったらユキト、『もう一度はいて』……って誘ってくれ)
紐パンの方が、まだマシだ。
お前の勝負パンツをはいてやるよ。
「統帥のちんこが腐ります。捨てましょう」
「アー!」
なに投擲 してくれたんだ。アキヒトーッ
「酷い!」
ユキトも、こう言ってるぞ。
俺のジャイアント・キャベンディッシュは、このくらいじゃ全然腐らない丈夫なバナナなのにっ。
俺の唯一の心の拠り所……ビキニパンツが消えてなくなった~
「……どうしたんだ?」
ビキニパンツを掴んだ手を、じぃーっとアキヒトが見つめている。
ユキトの勝負パンツを触ったから、手が腐ると本気で心配しているのか?
「拭くか?抗菌ウェットティッシュあるぞ」
「ナツキ、酷い!」
「いえ。そうじゃありません」
まだ手を見つめている。
「湿ってました」
「えっ」
「愛人から借りた、統帥のビキニパンツ……」
クンっと鼻を近づけて、掌をペロリと舐めた。
「統帥の味がします。……お漏らし、しちゃったんですね♪」
「えェェェェーッ」
「嬉しいよ、ナツキ!俺のビキニでお漏らしなんて!」
「お前は黙っとれェーッ!」
プシュー
……ユキト、撃沈。
「違うんだっ、アキヒト。これはっ」
その~
「先走りで……」
「先走りも立派なお漏らしですよ♪」
違うんだァァー!
『ねぇ、ナツキ。さっきから気になってたんだけど。
……君、ブリーフに染みができてないかい?』
………………………………へ?
「ほんとだ。ここ、小さい染みができてますよ」
………………………………うそ。
『私のブリーフは、君には大きいけれど。股間がこんもりして、染みになっているのが、モニターでもよく見えるよ』
ちちち、ちがーうッ!
「これはっ、先走りでっ」
『興奮したんだね』
「そうじゃなくって!」
『白ブリーフをはいたから?それとも、私のブリーフで興奮したのかい?どちらなんだろうね。もしくは両方かな?』
「違ーう!!」
俺は興奮なんて……してない。
バナナが勝手に大きくなったんだ。
こんな時に限って、カチカチ ジャイアント・キャベンディッシュになるな。
一口サイズでいろよっ。
「統帥は勃起しても、モンキーバナナですよ」
「モンキーバナナ言うなァッ!」
プシュー
……アキヒト、撃沈。
モンキーバナナよりはデカいわ。……少しだけ。
『じゃあ、ナツキ。ちょっと四つん這いになってみようか』
………………ハルオミ、さん?
『君は白ブリーフでイってしまう、変態ドMの淫乱Ωだからね。たっぷり虐めてあげよう。
その体に、雌ゲイの淫らな悦びを仕込んであげるよ。興奮するだろう?』
ビクンッ
脚の間の昂りが血流で跳ね上がる。
(なんで……)
俺は、淫乱な雌じゃないのに……
『隠しても無意味だよ。私はシュヴァルツ カイザーだ。君の思考が手に取るように分かる。そして、理解しているよ』
モニターの瞳が、深い藍の輝きを帯びた。
『変態ドMの君を愛している。
そんな私は、変態ドSなのかな』
不敵に微笑む紺碧の双眸
ハルオミさんは、変態だ………
〈切なさは(フー)止まらない〉
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