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Ⅵ【ファウスト】第57.5話 (おまけ+)29
《おまけ+》
- Romantsch hört nicht auf .
〔ロマンチックが止まらない〕29 -
この弟にして、この兄ありだ!
エロエロα-兄弟がァァー!
誰がエロ夫の話なんか、聞いてやるものか。フンっ
『ねぇ、ナツキ』
「………」
『聞こえてるかい?』
「………」
『おやおや、新婚にして倦怠期を迎えてしまったよ』
「………」
『それとも私が君のケツマンにいなくて、つむじを曲げてしまったのかな?』
「んな訳ねーだろォォー!!」
しまったーッ
あれだけハルオミさんは無視すると、心に誓っていたのにっ。
喋ってしまったーッ
ニヤニヤ~
口許緩みまくりのハルオミさんが、モニターに映っている。
クゥーッ……手が届くものならば、あの緩みきった頬っぺたを、プニ~とつねってやりたい!
心理戦で、俺はシュヴァルツ カイザーにかなわないのかっ。
『敗者となった君への罰ゲームだ』
一体なにを要求する気だ、ハルオミさん。
『机の引き出しを開けてみようか。……あぁ、パンツははかなくていいよ』
妻がすっぽんぽんって、夫としてどうなんだ?
はかせろよ、パンツ!
ブリーフでもいいから!
『さぁ、開けるんだよ。その引き出しだ』
……嫌な予感しかしない。
「これはッ♠」
『T字カミソリだよ』
嫌な予感、的中したー!!
『剃毛の烽 を上げようか』
~ピンポンパンポーン⤴♪
「それ……烽じゃなくって、艦内放送のボタン!」
『これは失敬』
「~~~」
大丈夫か?ハルオミさん。
『気を取り直して、剃毛を始めようか。
君はボーボーだからね。貞操帯に陰毛を挟んで、怪我をしたら大変だ』
やっぱり装着するのか、貞操帯~♠
『君の陰部は未開拓の茂みだ。まだ誰も踏み入れた事のない未知なる地への一歩を、君自身が刻むんだよ。
恐れる事はない。私が見ていてあげるよ。
銀の刃が肌を滑る度に、黒き暗雲が払われて、白き魅惑の聖地がその姿を顕 にするだけさ』
頬杖をついた指の端で、冷冽 な色彩に染まった藍玉の玲瓏をすっと細める。
『さぁ!闇を切り裂く銀の一閃を、根元まで一気に滑り下ろそうか!』
「エロいわーッ!」
『当然だよ。妻が夫の目の前でT字カミソリ片手に、ボーボーの陰毛処理を見せつけるなんて。
これ以上ないエロスだよ』
「ボーボー言うなー!」
『言うよ!私好みなんだからねッ!』
「エロエロ ドスケベ変態夫ーッ!」
『ありがとう。最高の賛辞だよ。
次は変態の後に、ドSも付け加えてくれると嬉しいよ』
「開き直るなーッ!」
『なにが悪いんだい?
開き直ってでも、フル勃起ボーボー陰部を剃毛する君を、私は見たいんだよ!!』
……ふるぼっ…き~……
俺のアソコ……ボーボーの茂みの中で、ふるぼっ…き…状態だ。
なぜ萎えない!
『君が淫乱だからだよ』
思考を読むなっ、シュヴァルツ カイザー!
あとボーボーは否定しろ。
例え真実でも否定しろ。
俺のアソコがボーボーだなんて、ほかの誰にも知られたくない最重要機密事項だ!
………ほかの誰にも~
………知られたくない………
「アーッ!」
ハルオミさんッ
『どうしたんだい?』
「烽だッ」
『烽?……あぁ、艦内放送のピンポンパンポーン♪の事だね』
「押した……よね」
『押したよ』
「それから、押してないよね……」
『その後、ピンポンパンポーン♪は押していないよ』
モニター前のボタンを殴る。
~ピンポンパンポーン⤵♪
音階の下がるピンポンパンポーン♪は、艦内放送の切れた証だ。
(……俺……終わった)
またしても夫婦のアホエロ会話が、マルク艦内に流出してしまったー★
コロン、コローン……
右手から、銀色に輝くT字カミソリがこぼれ落ちた。
〈切なさは(フー)止まらない〉
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