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Ⅶ【今世神君】第5話
これは戦争じゃない。
殺戮だ。
俺が行ってきた事も、戦争という名を借りた殺戮だったんだ……
そんな俺が、都合いいけれど。
ほんとうに助けたかったんだ。
お前達を………
俺はΩだけど。
お前達αは、俺の仲間だったよ。
お前達が生きる事で、守れる明日が……あった筈なんだ。
明日を見る事なく、命はどこへ行くのだろう。
『それでも進まなくてはいけないんだよ』
モニターから声は響く。
『生きている者は、明日を見なくてはならない』
それが……
『生きる責任なんだ』
灰色のノイズの向こうで、サファイアの瞳が俺を見つめていた。
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