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第67話 熱情(1)
見つめる視線を感じ、そこを見せつけるように広げていく。
したたり落ちてくるローションが、ぐちゃぐちゃと音を立てるほどに指を抜き差しすれば、目の前でそれを見ている彼の喉元が上下した。
さらに指を増やして、奥へと突き入れていくと、次第に指先は前立腺にまで届く。そこを指で挟み込むようにして擦れば、身体がビクリと跳ね上がった。
その気持ちよさに、誘われるままに指を何度も動かし、両足を大きく開いて自分で自分を深く追い詰めていく。
そんな姿が、リュウの瞳に映し出されている。だがいまは羞恥よりも、興奮のほうがより強かった。
「宏武、気持ちいい?」
「んっ、気持ち、いい。……でも、まだ足りない、リュウが、欲しい」
熱情を孕ませた視線で自分を見つめる、彼の昂ぶりが腹に付きそうなほど反り立ち、張り詰めている。
あれを自分の中に突き入れたら、どれほど気持ちがいいだろうかと、想像して喉を鳴らしてしまう。
指だけでは届かない奥まで突いて欲しい。身体が揺さぶられるくらい、激しくかき回して欲しい。
「……リュウ、リュウっ、お願い、早く」
「まだ駄目。そのままイケたら、あげる」
「そんなの、むり、だ。リュウ、触って」
このままじゃ足りない。お預けなんてできるはずもなく、自分の指だけじゃ満足できない孔は、物欲しそうにひくついた。涙を浮かべて懇願すると、リュウは困ったように小さく笑う。
そして覆い被さるように身を寄せて、口先にキスをくれる。
「宏武、可愛い」
「リュウ、早くもっとして」
いまは優しいキスだけじゃ全然、足りない。
浮かんだ涙がこぼれたら、リュウの唇が滑り落ちて、首筋を伝い胸元まで落ちた。たっぷりと唾液を含ませた舌先で、胸の尖りを撫でられて、背中をゾクゾクとした快感がよぎる。
そこに吸いつかれるだけでも、身体が震えるほどに気持ちがいい。
吐息混じりの上擦った声を上げると、彼はやわやわとそこに歯を立てる。さらにはぷっくりとした乳首を、もてあそぶように舌で弾いた。
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