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「ダメだダメだ。余計なことを考えないためには、掃除が一番だ」
ふるふると頭を振って掃除機を引っ張り出した。風もなく天気がいいから布団も干そうか。
逸也の部屋に手早く掃除機をかけ、カバーをはずそうと掛け布団をめくったところでもよおした。逸也の香りが残った布団。
ツキンと下腹が疼いて熱が集まっていく。部屋着代わりのジャージの前が、みるみる膨らんでいくのを見下ろしながらベッドに膝をついた。吸い込まれるように枕へ頭を落とせば、逸也の香りに絡めとられるようで、右手がへそからジャージの縁を伝っていく。
「イチさん」
雄を主張するそこを握りしめて緩く動かした。逸也の厚い胸板を思い出すと、先走りが穂先で朝露のような小さな水溜まりを作る。
逸也はどんなふうに女性を抱くのだろう。アヤカのようなたわわな膨らみはないけれど、自分のここをあの長い指で摘まんでほしい。左手でティーシャツのなかの小さな突起をきゅっと潰し、親指でこねてみる。
「……っあ、イチさん」
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