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翌日からの逸也は、いたっていつも通りの逸也だった。
日向をからかいながら仕込みをして、作る惣菜はトキタの味で、店先でおばちゃんたちをあしらう姿もいつも通りだった。
時々ぼんやりと考え込む横顔や、アヤカと頻繁に連絡を取り合っている様子に心の乱れることはあったが、日向はそんな場面を努めて目に入れないよう過ごしていた。
自分の立ち位置はトキタ惣菜店の従業員。それ以上でもそれ以下でもない。それを心に刻むよう精一杯働いていているうちに、暦は十一月になっていた。
週に一度のトキタの定休日。
いつものように、着替えやタオルの詰まったデイパックを肩にかけた逸也に「昼はどうしますか?」と声をかけた。
「んー、ジムのあと寄り道してくるかもしんないから、テキトーに食っといて」
「了解です」
自転車を漕ぎだす後ろ姿を窓から眺めながら、日向はため息をついた。
「アヤカさんとランチかなぁ」
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