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 就職した店で再会した高見沢は、施設にいた頃よりぐっとあか抜けていた。身につけている高そうなスーツや腕時計がエリートビジネスマンという雰囲気だったし、涼しげな目元やスッキリと通った鼻筋は昔よりもずっと洗練されて大人っぽい。そんな高見沢が下積み身分の日向には眩しくて、近寄りがたささえ感じさせるほどだった。  けれどオーダーを取りに来た日向に気づき、嬉しそうに笑った顔は一緒に生活していたときのままで、必死に押さえ込んで忘れようとしていた感情の蓋は簡単にはずされた。そこからはもう、表面張力をやぶった水みたいに恋する気持ちが一気に溢れてしまった。  「日向の勉強になるだろう」と気後れするような高級レストランに連れていかれ、宝石のように散らばる夜景を見ながら飲むカクテルの味を教えてもらい、そして当然のように抱かれていた。  初めてのセックスはただ痛くて、でも女の子だって初めては痛むものだし、ましてや繋がる場所じゃないところでする行為がスムーズにいくはずもない。そう思っていたから、何度抱かれても慣れない痛みに我慢するしかない日向だった。

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