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おまけ―3

「あーん、ヤオイダの店長ったらこうして見るとイケメンなのに姿勢が悪いから温泉旅館の泊まり客みたいだわぁ」  白地に濃紺、絣模様の浴衣姿で最終審査に現れたヤオイダの店長は、仕事中なら好感のもてる物腰の柔らかさが逆効果に出てしまって、あかねの言う通りに見えるから日向は吹き出してしまった。 「あらやだっ、八百屋の息子っ。あいつちゃっかり最終に残ってたのねっ」  二番目に呼ばれて登場した金髪に、あかねの歯軋りが聞こえてきた。 「うっわー、品がないったらないわ」  ヒョウ柄浴衣に金色の兵児帯を結んだ八百屋の息子は、舞台の中央でクルリとターンするとヒップホップ風のキメポーズで観客を煽っている。 「だっさ」  それでもあちこちから歓声があがり、まるでライブ会場のように盛り上がってはきた。熱気に包まれるなか、クリーニング屋の甲高い声がさらに会場を盛り上げる。 「さーて、最後のファイナリスト。トキタ惣菜店の若き店主、エントリーナンバー三番っ。時田逸也ーっ」

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