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おまけ―2
商工会から日向と逸也にイケメンコンテストへの参加要請があったのは、祭りの実行委員会が動き出してしばらくしてからのことだった。優勝の副賞は『矢追谷温泉への一泊旅行』にも関わらず参加者がイマイチで、商工会長である八百屋の親父に泣きつかれた逸也はしぶしぶ参加を決めた。
華やかな場所は苦手だし、なにより不釣り合いだと思っている日向だったが、逸也も出るならと勇気をかき集めて参加する気持ちでいたのに、「お前は店番だ」のひとことで却下されたわけだが。
ほっとする気持ちと裏腹に「なんでですか。イチさんばっかり目立とうとしてズルい」と憎まれ口を叩いてみれば、「知らない連中に日向がジロジロなめ回すように見られるのは耐えられない。お前の良さは俺だけが知ってればいいの」なんて言葉がさらっと返ってくるからニヤけてしまう。
逸也の言う通り店番の日向だったが、早じまい予定のトキタはなかなか客足が引かず、しかも着替えに手間取っているうちにコンテストは始まっていた。ようやく到着してみれば、なんとか集まった参加者たちはすでに一時選考のふるいにかけられ、最終審査が行われるという場面だった。
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