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おまけ―16
「い、やっ……」
「嫌じゃねぇだろ。ほら」
普段なら絞った巾着みたいに固く閉じられているそこは、もうすっかり逸也のカタチや熱量を覚えているから、指でさっとひと撫でされただけで許すように口を開いてしまう。恥ずかしい。けれど。
さっきまで口のなかでされていたことを施され、熟れすぎた果実のように柔らかくほどけていく様子を見てほしい。知ってほしい。逸也だからそうなることを。
「あ、んんっ。あ、あ、ん」
離れた舌に代わって入ってきた指に、果肉のなかに眠る発情の種を見つけられて日向は背中をしならせた。マッサージするよう二本の指に圧をかけられれば、日向の先端から透明な果汁が滴り落ちて茂みを濡らす。
「あー、我慢できねぇ」
苦しげに寄せられた眉の下で、下がり気味の瞳が一瞬ぎゅっと閉じられた。そしてあてがわれる。
「あああっ」
「来る」と思った瞬間にはもう充填されていた。
空洞のはずがないのに、逸也が収まって初めて自分の体が完成したような充足感。だってほら、抜けていくときの喪失感に涙が出そうになる。そしてまた押し込まれる熱が嬉しくて目尻が濡れる。
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