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おまけ―17

 あえぐ声すら出ないほど陶然とした日向に、逸也が心配そうな声で顔を寄せてくる。 「大丈夫か? 苦しい?」  ふるふる首を振る様子に安心した逸也の首もとへ腕を絡ませた。胸と胸が合わさって。こめかみに逸也の頬が押し付けられて。でももっとくっついて混ざりあいたい。 「ヤバい。ひなた。気持ちいーよ。すっげえ気持ちいい」 「ん、好き。イチさん、好き」 「俺も。ひなた、好きだよ。好き、大好き。ずっとこうしていたい」 「うん、うん」 「チンコだけじゃなくて、全身でお前んなかに入りたいよ。ひなた」  こぼれる言葉だけでなく、逸也が体ごとそう思っていることが、穿つ体温や脈動で伝わってくる。同じ温度でタイミングで、同じだけ互いを欲していることが嬉しかった。  そう伝えたかったけれど、高みは同時に訪れた。 「う、あ。なぁ、俺いく。いくぞ」 「きて。あ、イチさんっ……」  きつくきつく抱き合ってすべて解放した瞬間、心も体もなにもかも混ざりあった気がした。 「す……げぇ好き、ひなた。ぜんぶ好きだよ」  混ざりあっていた、きっと。

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