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お風呂に入ってさっぱりしたけど下半身が産まれたての子鹿状態で、たまたまお風呂場の近くにいた組員さんに手伝ってもらって宗ちゃんの待ってる部屋に帰ってきた。 「遅い」 「なあ…俺の足見てみ?ガクガクやろ?」 「そうだな」 「こうなってんのは宗ちゃんのせいやねんからさ、移動に時間かかるとか、そういうのは許すべきやと思うねん」 「うるせえ」 俺がイライラしてると思ったんか知らんけど煙草を投げて寄越してきた。 「それ吸ってろ」 「…火ちょうだい」 「チッ…こっち来い」 ヒョコヒョコと格好悪く歩いて、一人掛けの椅子に座る宗ちゃんの前に立って手を出すとジッポーを出され、煙草を口に咥えて早速火をつける。 「座っていい?」 「…どこにだよ」 「膝に決まっとるやろ」 「…いい」 宗ちゃんの膝によいしょ、と腰を下ろして背中を預けると、まるでそれが当たり前のように俺のお腹に手を回してくる。 「宗ちゃんって、勿体無いよなぁ」 「あ?」 「優しいのに、言葉でそれを伝えられへんの、勿体無い」 振り返ってそう言うと顔が少し赤くなっていて、じっと見つめてると頰を軽く叩かれる。 煙草吸ってるのに危ないな。 「危ないやん、火傷すんで」 「じゃあそこに座ってんな、俺を見るな」 「何怒ってんの」 「あー!腹立つ」 宗ちゃんに煙草を取られて灰皿に押し付け、火を消される。はぁ?と思っていたら唇に噛み付かれた。 「ッン!!」 これ絶対唇切れた。 肩を叩くとニヤニヤしながら噛み付くのをやめて、その顔に腹が立って思い切り拳をぶつける。 「…テメェ」 「ごめん、ついつい手が出た」 「許さねえ」 「怒らんで」 ヘラって笑って殴ってもうた頰にキスをする。もちろんそれでは許してもらえず、そのあと仕返しということで顔を叩かれた。

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