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目を覚ますと電気が明るくてまた目を閉じた。 電気を直視しやんように、寝返りを打って前を向くと宗ちゃんが綺麗な顔して眠ってた。 散々しやがって…っていう気持ちを込めて鼻を摘むとパッと目を覚ました宗ちゃんが「何してんだお前」と訝しげに俺を見た。 「なあなあ、何でそんなに名前呼んでほしいん?」 俺が意識を落とす前に思った事を聞けば、考えてる様な表情をした宗ちゃんが、結局寝起きのへらっとした顔で「わかんねえ」と言った。 「寂しいとか?」 「あー…あー?」 「え、どっちなん?」 「寂しいとは全く違うけど、多分、それと似た感じ」 話すのが面倒くさくなったのか俺を抱き寄せて「もうちょっと寝る」と目を閉じてすぐに寝息をかきだす。 「…わからへん」 寂しいに似た感じって、何。 それって寂しいと違うん?俺があほなんか、宗ちゃんの語彙力が無いんか、うまいこと答えが見つからんくて、とりあえず宗ちゃんに抱きしめられるまま、俺ももうちょっと寝るかなぁって宗ちゃんにもっと近づいてみる。 あ、そういえば 「媚薬抜けてる」 次もまたもし媚薬打たれるようなことあった、次こそは全力で逃げてやる。って思いながら、目を閉じた。

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