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夢ノ内高校体育祭 開催 7
次の競技である「騎馬戦」は、夢ノ内一の「二度と見たくない競技」のひとつだ。
なんの嫌がらせか、スポーツ学科のガチムチな男共が「可愛い女の子の服」を着て挑むこの試合。見た者の何人かがトラウマになると言われる地獄のカーニヴァル。
体育館に響き渡る雄叫び。
ムチムチの女子の服で動き回るスポーツ学科と、妙に似合っている普通学科。
賑わっているのは中央だけで、周りの生徒から保護者まで、一同は静かである。皆、目を背け吐きそうな顔をしているのだ。
「先輩見たいです」
「精神衛生上良くないのでダメです」
遼介はと言うと、鼓の目を塞ぎ試合を見せないようにしていた。
去年はただの可愛い着ぐるみだったにも関わらず、今年はなぜ「セーラー服」なのか......。
遼介ですら寒気を覚えるその光景、鼓に見せる訳にはいかないとスポーツ学科が入ってきた瞬時に目を塞いだのだ。
「今年の衣装は何ですか」
手を退けてもらえないと分かり、衣装だけでも、と聞く。
「あ...うん、まぁ、......可愛い服だよ」
「そうですか。あ、これに古木出てるんですけど」
「あ...ご愁傷さま」
(え、古木どうなってるの?もう潰されたの?)
見せてもらえず、鼓は唇を尖らせた。
実際、古木は既に敗退している。その理由は、セーラー服を着たガチムチに追いかけ回されたことにより土台が崩れた為。
まさにご愁傷さま、だ。
「鼓くんただいま!」
綱引きを終えた詩帆が帰ってきて、鼓と遼介を見遣るも特に気にせず座った。
状況は理解しているようである。
「あ、おかえりなさい」
「...詩帆、ブラインド掛けて」
「了解。こんなグロ映像見せれないもんね」
「「グロ映像」」
遼介と鼓がハモる。ガーと音を立ててブラインドが下げられ、遼介も手を外した。
「あの、先輩。古木なんですけど」
「ん?ここに戻ってくるように言ってあるから大丈夫だよ」
(まだ要件言ってなかったんだけど)
「ありがとうございます」
「どういたしまして」
頬を撫でられ擦り寄ると、近くで見ていた詩帆がリア充だ...と恨めしそうの声を出した。
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