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夢ノ内高校体育祭 開催 6
1回戦が終わり盛り上がり始めたところを、さらにヒートアップさせるために、放送部が面白おかしくアナウンスし始める。
『今年もやってきました、夢ノ内高校体育祭!』
『いよっ、待ってました』
『いや〜今年は綱引きに5組の野沢 詩帆さんが出場したことにより、大混乱ですね〜』
『大混乱ってw今年は本気で勝ちに行く、との事ですよ〜』
『あははは、勝ち確じゃないですかそんなの』
『よっ、怪力!』
『よっ、化け物!』
「誰が怪力の化け物だこらぁあああ!」
実況者2人に向かって詩帆が吠えた。詩帆の扱いはどこでも一緒らしい。
パンッと音が鳴って、2回戦が始まる。詩帆はまたもや1番後ろで体に縄をまきつけていた。
『2回戦始まりました!』
『野沢、頑張れええぇえ!』
『お前自分のチームに声援送ってんじゃねえよ!おい野沢!負けろおおお!』
『お前もじゃねぇか!』
(野沢先輩、意外と信頼度あるみたい)
観戦する鼓を、見つめる遼介。詩帆の方を未だ1度も見ていない。鼓は視線に気づきつつも敢えて無視をした。
一方詩帆は、既に試合を終え胴上げをされていた。もちろん勝った。
『オッシャアアア!』
『ガッツポーズしてんじゃねぇよ!実況しろ実況!え〜っと、只今の得点、白組が勝ったことにより10点プラス。先程の試合と合わせて20点です。野沢は次は負けてくれるでしょう!俺負けたくないもん!』
『私情挟んでんじゃねぇぞばぁか!』
実況に、思わず鼓もクスリと笑う。その瞬間部屋に設置されている隠しカメラが遠隔操作により動いた。当たり前だが、リモコンは遼介の手元である。
3度目のピストルが鳴り、そして瞬時に決着が着いた。またもや詩帆たちの勝利である。
『あぁあぁぁあ!』
『ざまぁ!只今の勝負、白組の勝ち!白組バンザーイ!野沢よくやったぞ!』
『チッ......これにより白組は30点、3連勝によりプラス30点、合計60点です』
『軽快なスタートを切りました!さぁこれからどうなるのやら!次の競技は...おお、これはまた熱い!騎馬戦です!』
『次こそは勝つ!』
実況はそこで途絶え、詩帆は嬉しそうな歩調で退場して行った。
鼓たちにはしっかり手を振って。
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