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第62話 R18
*
「……っ」
ガラッとお風呂に足を踏み入れた瞬間、さっき先生から香った石鹸の匂いに包まれ、まるで先生が近くにいるみたいな錯覚に陥った。
(さっきまで、先生がここに……)
見たこともないのに、つい先生の身体を想像してしまう。
シュッと引き締まった、大きな背中。手があんなに綺麗なのだから、脚だってきっと長くて綺麗。
そんな身体を、先生は毎日ここで洗ってる。そんな場所に、俺も今、裸でいる。
そう考えただけで恥ずかしくなって、またまた身体に影響が出てしまった。
(俺……えっちだ……)
硬くなってしまった中心を、恨めしい気持ちで見つめる。自分がこんなにえっちな人間だったなんて、死んじゃいそうなほど恥ずかしくて、自己嫌悪で胸が苦しくなる。
『大丈夫。男なら皆なることだから』
『皆……先生も……?』
『ああ。俺もなるよ』
そんな先生との会話を、ふと思い出した。
(本当に……?俺が気持ち悪いわけじゃないの……?)
その問いに答えてくれる人は、もちろん今ここにはいない。
けど、先生もそう言っていたし、戸塚君なんかえっちまでしちゃってる。
男の子がこうなっちゃうのは当たり前のことなんだと、なんとか思考を前向きに働かせて、恐る恐るお風呂のイスに腰を下ろした。
「し、しご……く、んだよね……?」
恐る恐る触れると、ピクッと反応するソレ。
(あ……でも、まずは皮……?)
剥く、って言ってたはず。毎日やればちゃんとなるって、言ってた。毎日どころか、あの日以来一度もしていないけれど。
先生にしてもらったとき、ピリって痛かった。またあの痛みに耐えなきゃならないと思うと、あまりやりたくはないけど、その方が清潔ならやっておいた方がいいんだと思う。先生に不潔な子だって思って欲しくない。
(頑張ろ……っ)
意を決して皮なる部分に触れる。そこを少しズラすと、案の定ピリっと痛みが走った。
「ん……」
下げた皮をゆっくりと元に戻す。
あの時はパニックになってたはずなのに、ちゃんと身体が覚えてる。先生がどうやって、ここを触ってくれたのか。
もちろん先生みたいに上手くできないし、痛みもあの時より大きいけど、それでも俺はもっと大人に──先生に近づきたくて、頑張って動作を続けた。
「ぁ……っ」
数回皮を上下させると、ヒリヒリとした痛みが強くなってきた。それと同時に、竿の部分の圧迫したような苦しい感覚も。
(も、いいかな……)
早く楽になりたい。身体があの解放感を覚えていて、それを求めてやまない。
俺は無意識に先生の顔を思い浮かべながら、輪を作った指を硬くなったソコへと持っていった。
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