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第200話 R18

*  「んあっ……ああっ、あんっ」  「前立腺、気持ち良い?」  「あぅっ……ん、ん……びくって、なっちゃっ」  丹念な準備の甲斐あって、俺は後ろでも感じられるようになった。入口のちょっといったところの、少しコリっとしているところ。まだ後ろだけで達したことはないけれど、一緒に前も触られると、どうしようもなく気持ちよくなっちゃう。  「そろそろ良いかな……俺も、もう限界……」  「あ……」  後ろから違和感がなくなる。Tシャツを脱ぎ始めた先生に視線をやると、先生のソコはボクサーパンツ越しに、大きく主張していて。言葉通りに限界なのが、ありありと見て取れた。  「心……後ろ向いて」  先生が俺の身体を起こそうとするけど、俺は身をよじって抵抗する。  「や……後ろ、やだ……」  「心……でも……」  先生が心配そうに顔を歪める。分かってる。ワガママだって分かってる。後ろからの方が負担が少ないって、先生から教えてもらった。  (だけど……だけど、俺は……)  「先生の顔、見て……したい……」  初めては、ちゃんと先生の顔を見てしたい。胸をドキドキさせながら、そんな視線を向けると、先生は困ったように笑って、俺のおでこにキスを落とした。  「分かった……痛かったら、ちゃんと言うんだよ」  「……う、ん」  「ん。ちょっと待っててな」  俺の頭を撫でてから、避妊具をつけ始める先生。その姿さえも、色っぽくてカッコよくて、胸がドキドキしちゃう。  (おっきい……)  思わず見惚れていると、それに気づいた先生が「そんな見られると照れる」と苦笑を漏らした。俺は慌てて目を逸らし、バクバクする胸を押さえる。すると、数秒もしないうちにベッドが軋み、人影が落ちてきた。見上げると、先生は俺と一緒で、どこか緊張した面持ちをしていた。  「……入れるよ」  「は、い……」  (ついに……)  先生は馴染ませるように、俺の濡れたお尻に数回ソレを擦り付けて、そしてゆっくりと硬いものが中に侵入して来た。指とは比べ物にならない圧迫感に、身体は自然と強張ってしまう。  「ぅあ……」  「大丈夫。怖くないよ」  先生が手を握りしめてくれる。一人じゃないよって教えてくれるみたいに、指と指を絡めてくれる。俺はそれに応えるように、ギュッと手に力を入れた。  「痛い?」  目をギュッと瞑って、フルフルと首を振る。痛くはない。痛いわけがない。だって、先生がこんなにも優しく、俺のことを気遣ってくれてるんだから。  「息吐ける?」  「はあっ……ん、あ……」  「力抜いて……」  「あ……あ、ぅ……」  「そう……上手だよ」  中はキツくて仕方なかったけれど、先生の穏やかな声を聞いていると気持ちが落ち着いてくる。  「は、あ……ぁ……」  大丈夫。先生を信じて。怖がる必要なんかない。この日のために、たくさん準備をしてきたんだもん。だから、絶対に大丈夫。  そう自分に言い聞かせ、言われた通りに息を吐いているうちに、身体の力が抜けていった。お尻は先生のモノを受け入れようとして、柔らかく収縮を繰り返す。  「ん……上手、心」  充分に時間をかけてから、先生の動きが止まった。中の圧迫感を感じながら、俺は恐る恐る目を開けて、潤んだ瞳で先生を見た。少しぼやけた視界に映る先生は、切なそうに目を細めて俺を見ていた。  「せん、せ……はいっ、た……?」  「入ったよ……泣かないで偉かったな」  そう褒められながら、握られてるのとは反対の手でぽっぺを撫でられた。俺はそれに擦り寄って、もう一度目を瞑る。この瞬間を噛みしめるように、そっと。  (先生のが中に……俺の中に入ってる……)  やっと……やっと先生を受け入れられた。

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