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1-調教開始
「ガキになんて最初っから興味ねぇよ?」
「うん、ゼロ、むしろマイナスくらい?」
一ノ宮 は銀縁眼鏡奥で涼しげな双眸を強張らせた。
三十七歳という若さで私大文学部の准教授を勤める知的なクールビューティー。
三つ揃いのスーツがスレンダー体型によく似合っている。
軽薄なラブホの一室。
人目のつかない場所で会いたいと、一ノ宮自身がそう欲求すれば相手はここを指定してきた。
「あれ、パパの遺伝子まるで無視してるよな」
「肉食ママの遺伝子に食われちゃったとか?」
相手は巨大なベッドに悠然と寝そべっていた。
一ノ宮が勤務する大学に通う成人済み学生、二人。
二人は双子だ。
敢えて同じ色に髪を染め、同じピアスをし、同じ服を着ている。
友達からはシロ、クロと呼ばれている、この部屋によく溶け込んでいる軽薄な若者。
そんな双子の間には札束の入った封筒が無造作に置かれていた。
要約すれば、双子は一ノ宮のおばかちゃんなお嬢様とオトモダチで、お嬢様は双子に貢ぎかねない勢いで相当入れ込んでおり、見かねた父が手切れ金でもって害虫を追っ払おうとしている、という図であった。
「……だから、金にしか興味がなかったということだろう? それを受け取って、金輪際、娘には近づかないでくれ」
神経質な仕草で何度も眼鏡をかけ直し、一ノ宮は、忌々しそうに言い捨てる。
反対に双子は顔を見合わせて呑気に笑った。
「金にも特に興味ねぇかな」
「なー?」
「……は? 君達は何を言っているんだ?」
「ぜーんぶ、センセェを密室に誘き寄せるための罠、みてぇな?」
「そーそー」
「……君達は不快そのものだ、意味のない言動を続けて他者を弄んで、一体、何が面白い?」
一ノ宮は眉間に不快感を露にし、踵を返し、部屋を立ち去ろうとした。
双子のシロとクロは、ぎしりと、ベッドを不吉に軋ませた……。
☆一週間後
「センセェ、ほら、大好きな生クリームだぞ」
「ほらほら」
市販の生クリームをのっけた双子の発情中ペニスに一ノ宮は。
「んんん……おぃしぃにゃ、ご主人様ぁ……」
革製の首輪、猫耳カチューシャ、眼鏡だけを身につけた状態で、一度に熱心に双子を頬張った。
甘い生クリームごと肉棒の頂きを啜りまくり、蜜なるカウパーに唇や下顎をべとべとにした……。
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