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第1話
…………昨日の事みたいに覚えてる
俺と優雅の出会い
上京して念願の一人暮らし
慣れない大学生活
居酒屋のバイトで出会った俺の教育係 はやたら爽やかで格好良い男だった
あまりにタイプの顔に思わず一目惚れ
…………でも顔だけじゃないんだ
優しくて格好良くて、話も面白くて面倒見もいい人気者
困ってる人がいると放っておけなくて、仕事は真面目で頼りがいもある
優雅のお父さんは小さい頃、病気で亡くなったらしい
母親の助けになりたいと高校は好きだったサッカーをやめてバイト三昧
大学も奨学金で通い一流企業に入社
毎月、母親に仕送りもしてる
でも、自分の頑張りを自慢する奴じゃなくて、努力や苦労を顔に出さず、人への思いやりも忘れない
中身を知る度、好きになっていった
本当は……
男同士だから言うつもり無かった
当時、優雅には同じバイトに彼女いたし……
別れた後も告白なんて出来なかったし、しようとも思わなかった
好きな気持ちをひた隠しにして友達として過ごせるだけで俺には十分
4年間 ただ見てるだけだった
卒業式の日
突然、誘われた
初めての二人きりでの宅飲み
あの日の事はよく覚えてる
とにかく緊張して酒はひっくり返すしゴミ箱を蹴っ飛ばすし、ソワソワして落ち着かなくて散々だった
緊張して挙動不審な俺を優雅は笑ってたっけ……
今、思うと俺の気持ちにとっくに気付いてたんだな
『…………ごめん。可愛くて』
突然のキスと抱擁
くれた言葉と温かい温度
信じられなくて、ただ呆然とした
『好きだよ……響 ……』
優しく笑った顔……
………………今でも忘れられない
目を開けたまま夢を見てるかと思った
秘めていた想い
ずっと好きだった人からのまさかの告白
あの日
突然始まった 叶わないと思っていた恋
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