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第2話

………………また、いない 暗い部屋 ソファにスーツの上着を放り投げる 最近、アイツは全然帰ってこない     最後に抱き合ったのはいつだった……? 隠れて電話する事が増えた気がする…… 遅くまで帰らない日も増えた 一緒にいても頻繁に誰かから電話が来て、コソコソ家を出てく ………………浮気かも そう考えついたのは、だいぶ前 目を逸らしてた…… お前の隣にずっといたかったから………… 優雅は沢山の『好き』をくれた 優しい言葉と態度で幸せを感じてた 優雅の笑ってる顔が好きだったのに…… ……………ずっと笑顔を見てない 優雅は根は真面目な奴だ …………多分、浮気じゃない 相手の子に本気になって俺に悪くて言い出せずにいるんだろう でも綺麗に身を引いたりできない だって……俺にはお前だけ…… 『好き』 俺からそう伝えたのは数える程 沢山『好き』をくれる優雅に俺はほとんど返せなかった 照れてなかなか言えない俺に優雅はいつも甘いキスをくれた ………………どうして? あんなに優しかったのに …………いつも一緒にいたのに 幸せだったあの頃 遠い昔みたいに思える 優雅の態度が変わったのは本当に突然 連絡もなく真夜中に帰ってきて、心配する俺に一言だけ言った 「響。お前、子供……好き……?」 「急に何?」 「好き?嫌い?」 「……うーん。どっちかって言うと嫌いかな。うるさいし、すぐ騒ぐし」 「そう……」 …………それからだ 急に触れてこなくなった 自分で言うのもなんだけど、いつも家ではイチャイチャしてたのに もしかして相手は女の子……? 将来的に子供が欲しいとか、そういう事? 誰かに男同士は未来がないとか言われた? 気持ちが離れてる………… 言葉に出来ない焦り …………怖い 優雅から別れ話を切り出されるかもしれない 増えた誰かからの電話と外出 なくなった二人の時間 素っ気ない態度 合わない視線    …………それでも俺からは言い出せない だって、お前が好きだから…………

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